群馬 嬬恋村に飛来のチョウ「アサギマダラ」 奄美大島で確認

去年夏に群馬県嬬恋村に飛来した大型のチョウ「アサギマダラ」が、その後、1200キロ離れた鹿児島県の奄美大島で確認されていたことが分かりました。
アサギマダラは、季節ごとに日本各地を移動し、“旅するチョウ”とも呼ばれていて、村からは「こんなに遠くまで移動するとは」と驚きの声が上がっています。

アサギマダラは、羽を広げると10センチほどになる大型のチョウで、季節ごとに生息地を求めて日本列島を移動することから「旅するチョウ」とも呼ばれ、嬬恋村にも毎年夏ごろに飛来します。

村では、去年8月に地元の人たちが参加して、飛来したアサギマダラの羽に日付などをマーキングする催しを開き、40匹に印をつけて自然に戻しました。

村の教育委員会によりますと、このうちの1匹が、去年10月下旬に、村から1200キロ余り離れた鹿児島県の奄美大島で確認されたということです。

嬬恋村教育委員会は「こんなに遠い場所まで移動するとは思わなかったので大変驚いた。ことしも催しを開くなど継続して調査を行いたい」と話していました。

和歌山→高知→香港 約2500キロを移動した記録も

「アサギマダラ」は、羽を広げると10センチほどになる大型のチョウで、日本のほか、中国や東南アジアに広く分布しています。

国内では、春から夏にかけて世代交代しながら北上し、夏から秋にかけて南下する渡り鳥のような習性をもっています。

羽に半透明の窓のような部分があり、野外で捕まえてこの部分にサインペンなどで確認した場所や日付を記入して放し、移動距離を調べるマーキング調査が行われています。

2011年には、和歌山県でマークされた個体が高知県を経由して、香港までおよそ2500キロを移動した記録も出ました。