新駅の建設が検討されているのは、小田急小田原線の伊勢原駅と鶴巻温泉駅の間にある農地や工業団地が広がる地域です。もともとの計画は、相模原市の相模大野駅の隣で、車両の検査や修理を行う「総合車両所」が運用開始から60年を経て老朽化し、移転先が必要になったことが始まりでした。小田急が沿線で災害のリスクが比較的少なく、広く平らな土地を探していたところ、伊勢原市内に予定地が見つかり、あわせて新駅の検討も始まったということです。
小田急電鉄は「コロナ渦で郊外の地域が注目され始めている。伊勢原市に住む人や来る人を増やしていきたい」としています。
小田急電鉄と伊勢原市が新駅建設検討盛り込んだ連携協定締結
私鉄大手の小田急電鉄と神奈川県の伊勢原市は8日、市内に新しい駅の建設を検討することなどを盛り込んだ、連携協定を結びました。小田急の新たな駅の建設は2004年以来で、市と連携してまちづくりを進めるとしています。
伊勢原市役所で開かれた連携協定の締結式には、高山松太郎市長と小田急電鉄の星野晃司社長が出席しました。
はじめに高山市長が「産業の軸を作り、働くところと住むところの共存を進めたい」とあいさつし、星野社長は「伊勢原市の価値の向上を目指してともに取り組んでいきたい」と述べました。そしてお互いに協定書に署名をしたうえで、握手を交わしました。
協定書には、小田急小田原線の伊勢原駅と鶴巻温泉駅の間に新駅の建設を検討することや、これに先立って相模原市にある車両の検査や修理を行う「総合車両所」を新駅の予定地近くに移転することが盛り込まれています。
また、駅や総合車両所の計画に合わせて市が道路の整備や都市計画を行うことで、両者が協力して周辺の人口増や産業の発展につなげることを目指すとしています。
小田急に新たな駅が建設されれば2004年に開業した川崎市の「はるひ野駅」以来で、2033年度に新たな総合車両所を開所するとともに、その後の新駅建設も合わせて検討するということです。
なぜここに新駅検討?
市は新駅を新たなまちづくりの中心として期待
伊勢原市の人口はおよそ10万1000人。人口減少傾向が続き、3年後には10万人を割り込むと推計されています。
市の中心部にある小田急伊勢原駅前の商店街には閉店したままの店も目立ちます。市は新駅や総合車両所に合わせて、伊勢原駅周辺から予定地の前を通って隣の秦野市に向かう道路の整備を進める方針です。また新たな駅が建設されれば、年間およそ100万人が訪れる県内有数の観光地「大山」へのアクセスも向上させて、観光客を呼び込みたいとしています。いずれは新駅周辺の人口を増やすとともに産業を活発化させ、新たな町の中心にしたいとしています。
市の中心部にある小田急伊勢原駅前の商店街には閉店したままの店も目立ちます。市は新駅や総合車両所に合わせて、伊勢原駅周辺から予定地の前を通って隣の秦野市に向かう道路の整備を進める方針です。また新たな駅が建設されれば、年間およそ100万人が訪れる県内有数の観光地「大山」へのアクセスも向上させて、観光客を呼び込みたいとしています。いずれは新駅周辺の人口を増やすとともに産業を活発化させ、新たな町の中心にしたいとしています。
地元の人たちの反応は
70代の女性は「私は小田急沿線に住んでいるので、小田急線が発展することには大賛成です。大山に行く観光客にも便利になると思います」と話していました。
一方で70代の男性は「こんなところに駅を作ってメリットがあるかというと、そんな風には感じない」と話していました。
一方、大山で飲食店を営む女性は「アクセスがより便利になって、お客さんが増えることを期待しています。楽しみにしてます。お客さんから日帰り温泉があったらいいという意見をよく聞くので、新駅に温泉施設などができればいいと思います」と話していました。
一方で70代の男性は「こんなところに駅を作ってメリットがあるかというと、そんな風には感じない」と話していました。
一方、大山で飲食店を営む女性は「アクセスがより便利になって、お客さんが増えることを期待しています。楽しみにしてます。お客さんから日帰り温泉があったらいいという意見をよく聞くので、新駅に温泉施設などができればいいと思います」と話していました。
専門家「人を集めていく工夫が重要」
都市計画が専門で関東学院大学法学部の牧瀬稔准教授は「新しく駅ができれば市に活気が出ることは間違いない。ただ、日本の人口は減少していくと考えられ、商業施設など、駅周辺の整備を進めて人を集めていく工夫が重要だ」と指摘しています。また「鉄道事業者と行政が連携するとともに、住民の意向をしっかりと聞いて、住民目線のまちづくりを進めることが大切だ」と話しています。