皇居に向かう新任外国大使が乗る馬車列 3年ぶりに復活

皇居での儀式に臨む新任の外国大使を乗せる伝統的な馬車の列が、新型コロナウイルスの影響で中止されて以来、3年ぶりに復活しました。

宮内庁から差し向けられた最初の馬車列は、午前10時に東京駅の貴賓玄関でフィジーの新任大使を乗せて皇居に向けて出発しました。

日本に着任した外国大使は、皇居・宮殿で、本国からの信任状を天皇陛下に手渡す「信任状捧呈式」に臨むことになっています。

菊の紋章があしらわれた馬車が、ひづめの音を響かせながらオフィス街の並木道を通過すると、通勤で通りかかった人や外国からの観光客がスマートフォンを向けて写真や動画に収めていました。

馬車列は、皇居・外苑を通って正門から皇居に入り、およそ1.5キロの道のりを10分ほどかけて走り、宮殿に到着しました。

馬車での送迎は、新型コロナウイルスの感染拡大以降、沿道に人が集まるのを防ぐため、令和2年3月を最後に中止されていて、3年ぶりの再開となります。

宮内庁によりますと、馬車の乗り心地についてフィジーの大使は「快適でした」と話していたということです。

馬車列を見た人たちは

東京 杉並区の72歳の女性は「職場が近かったので、4年前に馬車列を見かけたことがありましたが、ニュースで再開すると聞いて久しぶりに見に来ました。とてもすてきで、このような伝統行事は、ずっと続いてほしいです」と話していました。

横浜市の50歳の男性は「ふだん見ることができない貴重な儀式を見られました。日常生活が戻ってきたと感じられてうれしかったですし、コロナで中止されていたほかの行事もどんどん復活してほしいです」と話していました。

高校の卒業旅行で訪れたという千葉県の高校3年生の男子生徒は「3年ぶりの再開に立ち会えたこともうれしいですが、馬車の列を見るのも初めてで、高貴な風景ですてきでした」と話していました。

別の女子生徒は「コロナで修学旅行もなくて、やっとできた卒業旅行の初日に馬車列をたまたま見られて、本当にうれしかったです。これから大人になってもまた見たいので、ずっと続けてほしいです」と話していました。