ロシア国防相 東部ドネツク州に視察入りか バフムトの攻防続く

ロシアは、ショイグ国防相が部隊の視察のため、激しい戦闘が続くウクライナ東部のドネツク州に入ったとする映像を公開しました。ロシア軍はドネツク州全域の掌握をねらい、ウクライナ側の拠点バフムトなどに対して攻撃を強めています。

ロシア国防省は4日、ショイグ国防相がウクライナ東部ドネツク州に入り、州の南側に設置された、指揮所のひとつを訪れたとする映像を公開しました。

ショイグ国防相は、前線の司令官から戦況の報告を受けるとともに、兵士たちに勲章を渡し「あなたがたは、尊厳をもって戦っている。これからも国のために尽くしてほしい」と鼓舞しました。
ドネツク州全域の掌握をねらうロシア側は、ウクライナ側の拠点バフムトなどに対して攻撃を強め、激しい戦闘が続いています。

ロシアの民間軍事会社ワグネルの代表、プリゴジン氏は3日「ワグネルの部隊はバフムトを実質的に包囲した。残された道路は1つだけだ」と強調し、ウクライナのゼレンスキー大統領に部隊を撤退させるよう促しました。
これに対しゼレンスキー大統領は「粘り強く勇敢に任務を遂行し、バフムトを守っている部隊の1人1人に感謝する」と述べ、抗戦する姿勢を改めて示しました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は3日「ウクライナ側は戦闘部隊を制御しながら、バフムトの一部地域から撤退する条件を検討しているとみられる」と指摘し、戦況が厳しくなっているバフムトの東部からウクライナ側が一部の部隊を撤退させる可能性があるという見方を示しました。

一方で「戦争研究所」はバフムトをめぐる攻防について、ロシア側は去年5月頃から攻略に乗り出しているものの、ウクライナ側の激しい抵抗にあい、ロシア側にも甚大な損害が出ていると指摘しています。