マスクなしも可 都立高校で卒業式 覆われた3年間 最後は素顔で

多くの東京都立高校で4日卒業式が開かれました。式はマスクの着用が求められない形で行われ、コロナ禍で3年間を過ごした卒業生の中には素顔で臨む姿も見られました。

このうち東京 台東区の都立白鴎高校の卒業式は、3年生およそ230人とその保護者や在校生の一部などが参加して行われました。

ことしの卒業生はコロナ禍で学校の中では基本的にマスクを付ける3年間を過ごしました。

東京都教育委員会は、卒業式でのマスクの着用について国の通知を受けて、卒業生と教員は式全体を通してマスクを外すことを基本としていますが、この高校は、着用するかどうかを自身の判断に任せました。

卒業生の大部分はマスクを着用して出席していましたが、マスクを外して臨む生徒も見られ緊張した表情を見せていました。

また、感染防止のため、保護者や在校生などはマスクの着用が求められたほか、国歌と校歌は斉唱せず音源を流しました。
式では宮田明子校長が「ことしの卒業生は3年間でさまざまな忍耐を強いられた。それでも、保護者に出席してもらいながら送り出すことができてうれしい」と式辞を述べました。

卒業生代表の青木悠悟さんは「コロナ禍でも自分を失わなかったことに自信を持ち、この学校で学んだことを糧に前に進み続けたい」と答辞を述べていました。

「ようやくこの日が」「急だと違和感」卒業生の意見は

卒業式を終え、卒業生からはマスクを外せてよかったとの声のほか、高校生活の3年間マスクを付けて過ごしたことで急に外すと違和感があるなどといった意見も聞かれました。

式の間マスクを外していたという男子生徒は「みんなの顔が分からないので、マスクの着用を求められる今の生活はいやです。マスクを外してもよくなるのを待っていたので『やっとこの日が来たか』とうれしく思います」と話していました。

入退場のときだけマスクを外したという男子生徒は「保護者への感謝の意味を込めて、顔を見せられるタイミングではマスクを外しました。校歌を歌えなかったのは残念ですが、マスクを外して式に臨めただけでもありがたいです」と話していました。

一方、マスクを付けて式に臨んだという男子生徒は「マスクを付けるかどうかは周囲にあわせようと思いました。他に付けている生徒もいたし、まだ受験も控えているのでマスクを付けました」と話していました。

同じく、マスクを付けて式に臨んだという女子生徒は「いままでずっとマスクを付けてきたので、急に外すのは違和感があります。卒業式が保護者の参加する初めての式典になり、姿を見せることができたので満足しています」と話していました。