ロシア軍 多くの戦車損失か 気温上昇で地上戦こう着の可能性も

ロシア軍はウクライナ東部の掌握をねらい攻撃を強めていますが、戦闘で多くの戦車を失っているという見方がでています。またイギリス国防省は、今後気温が上昇することで凍結していた土壌がぬかるみ、部隊の移動が難しくなり、東部の地上戦がこう着する可能性があると指摘しています。

ロシア軍は、ウクライナ東部ドネツク州で、ウクライナ側の拠点バフムトを包囲しようと攻撃を強めていて、ウクライナのマリャル国防次官は先月28日、バフムトの防衛のために追加の部隊を派遣すると明らかにしました。

一方、ドネツク州の激戦地の1つブフレダルについて、アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは、1日ウクライナ軍の話として、ロシア軍が過去3週間の戦闘で少なくとも130両の戦車や装甲車を失ったとみられると伝えました。

戦況を分析しているイギリス国防省も、ブフレダルでロシア軍の精鋭部隊に所属する多くの装甲車が破壊されたのを衛星写真で確認したとしていて、ロシア軍の部隊に多くの損失が出ている可能性があります。

こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は1日「冬は終わった。非常に困難だったがウクライナにエネルギーを供給することができた」と述べ、冬の間、ロシア軍の侵攻に耐え抜いたと強調し、ウクライナ軍は今後、大規模な反転攻勢に乗り出す構えを示しています。

イギリス国防省は、今後気温が上昇して雪どけが進めば土壌がぬかるみ、部隊の移動が制限されるようになり、特にバフムトの攻防戦では装甲車の移動が妨げられると分析していて、春になって東部の地上戦がこう着する可能性を指摘しています。