ロシア ドネツク州掌握ねらい攻撃強化 情報戦もエスカレートか

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアは、東部ドネツク州の掌握をねらい、ウクライナ側の拠点バフムトへの攻撃を強め、攻防が激しくなっています。
一方、ロシア側は最近、アメリカがウクライナで有害な化学物質を使用するおそれがあると一方的に主張するなど、情報戦をエスカレートしようとしているという見方も出ています。

ウクライナ東部では、ロシア側がドネツク州の掌握をねらい、ウクライナ側の拠点バフムトを包囲するように攻撃を強め、抗戦するウクライナ側と激しい攻防が続いています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は2月28日、バフムトの状況について「ロシア側は絶え間なく兵士を送り込んでいる。戦闘の激しさは増すばかりだ」と述べ、厳しい防衛戦が続いているという認識を示しました。

一方、ロシア国防省は2月28日、アメリカなどがウクライナで有毒な化学物質を使用してロシアによる仕業だとして責任を負わせる、いわゆる偽旗作戦を計画しているなどと一方的に主張しました。

また、1日には、ロシア外務省が、ウクライナ南部オデーサの港などに放射性物質が届き、ロシアへの挑発行為に使用される可能性があるなどと主張しています。

こうしたロシア側の主張について、戦況を分析しているアメリカのシンクタンク「戦争研究所」は2月28日、「最近、ロシアの情報戦が復活している」と指摘しました。

そのうえで「ロシア当局が欧米諸国のウクライナへの兵器供与などを遅らせる努力をしているとみられる」と分析したうえで、今後、ウクライナ側の反転攻勢が進むにつれて、ロシア側が情報戦をエスカレートする可能性が高いという見方を示しています。