香港 マスク着用義務を撤廃 コロナ対策の規制すべてなくなる

香港ではおよそ3年間続けられてきたマスクの着用義務が3月1日から全面的に撤廃され、これで新型コロナウイルス対策の規制はすべてなくなりました。

香港では、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3年前の7月から、公共の場所でのマスク着用が義務づけられ、違反すれば罰金が科せられるなど取締りの対象となってきました。

しかし、現地のメディアは、多くの国でマスクの着用義務が撤廃されているとして「香港は着用義務が残る最後の地区になってしまう」などと、批判する論調を伝えていました。

こうした中、香港政府は感染が抑えられているとして、屋内・屋外を問わず、3月1日からマスクの着用義務を撤廃し、これでコロナ対策による規制はすべてなくなりました。

香港の中心部の駅周辺では3月1日朝、マスクをつけずに出勤などする人の姿が見られ「うれしい。マスクをつけていると歩くのにも気分が悪い。この日をずっと待っていた」とか「もっと早く国際社会と歩調を合わせるべきだった。香港の対応は遅い」と話していました。

香港は新型コロナの影響で経済が低迷していて、香港政府トップの李家超行政長官は2月28日の会見で「これで香港は全面的に正常化する。このあとは経済発展に力を注ぐ」として、経済対策に取り組む姿勢を強調しています。

香港では、コロナ対策を理由に集会を禁止するなどして、政府への抗議活動を抑えこんでいましたが、コロナの規制がなくなっても、香港政府は民主派などへの締めつけを続けるものとみられます。