ウクライナ東部ドネツク州で攻防 ロシア 治安機関に対策指示

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアは、東部ドネツク州のウクライナ側の拠点バフムトを包囲するように攻撃を強めています。一方、ロシアのプーチン大統領は、支配地域やロシア国内でウクライナ側などによる破壊工作のおそれがあると主張して治安機関に対策強化を指示し、引き締めを図っています。

ウクライナ東部では、ロシア側がドネツク州の掌握をねらい、ウクライナ側の拠点バフムトを包囲するように攻撃を強めていて、ウクライナのゼレンスキー大統領は「状況はより困難になってきている」と述べ、防衛線を保つことが難しくなってきているという考えを示しています。

ロイター通信は、27日にバフムトで撮影したとする映像を配信し、この中では、建物のほとんどが破壊された街なかをウクライナ軍の戦車が走行する様子や、砲撃の音や銃声が絶えず鳴り響く中、住民とみられる人々が通りを歩く様子もうかがえます。

一方、プーチン大統領は28日、ロシアの治安機関FSB=連邦保安庁の会合に出席し、ウクライナや欧米側によるロシアへのスパイ行為や破壊工作が増えていると主張して対策強化を指示しました。

プーチン大統領は「われわれの社会を分断し弱体化させようとする人々の違法行為を特定し、阻止することが必要だ」と述べて、ロシア国内だけでなく去年(2022年)9月に一方的に併合を宣言したウクライナ東部と南部の4つの州でも対策強化を命じ、引き締めを図っています。