モルドバ新首相 駐留ロシア軍の撤退求める考え ロシアは警告

ウクライナの隣国モルドバでは、新たに就任した首相が、国内に駐留を続けるロシア軍の撤退を求めていく考えを強調しました。
これに対し、ロシア大統領府は「モルドバとの関係は緊迫している」と警告し、両国の対立が深まっています。

モルドバでは、欧米寄りのサンドゥ大統領が率いる政権で、今月16日に、ドリン・レチャン氏が新たに首相に就任しました。

レチャン氏は、就任に先立って16日、議会に向けて演説を行い、引き続き、EU=ヨーロッパ連合への加盟を求めていくとしたうえで、「モルドバは防衛力を高め、自国を守るための人的、技術的能力に投資しなければならない」と述べ、国防力の強化に取り組む考えを示しました。

そのうえで、モルドバからの一方的な分離独立を宣言し、ロシア軍が駐留を続ける東部の沿ドニエストル地方をめぐり、「ロシア軍が撤退し、非武装化が実現できるよう歩み続けることが重要だ」と述べ、撤退を求めていく考えを強調しました。

これに対し、ロシア大統領府のペスコフ報道官は20日、「このような発言は非常に慎重になるよう助言したい。モルドバとの関係はすでに緊迫している」と述べ、両国関係をさらに悪化させると警告しました。

モルドバは、ウクライナに軍事侵攻したロシアに対する警戒を強めていて、今月13日には、ロシアがモルドバの政権転覆を企てているとする情報を得たとして、サンドゥ大統領がロシアを非難するなど、対立が深まっています。