新型コロナで国内初の死亡から3年 当時 治療にあたった病院は

新型コロナウイルスに感染した患者が国内で初めて死亡してから13日で3年となります。当時、治療にあたった神奈川県相模原市の病院が初めて取材に応じ、治療法が確立していなかった当時の対応を振り返るとともに、今でも多くの高齢者が亡くなっているとして、重症化リスクのある人に配慮した感染対策を続けてほしいと訴えました。

取材に応じたのは、2020年2月13日に、国内で初めて新型コロナでの死亡となった80代の女性の治療にあたった国立病院機構相模原病院です。

病院によりますと、当時、女性は重い肺炎の症状で搬送されてきましたが、検査にも時間がかかり、スタッフはコロナかどうかわからないまま、「N95」と呼ばれる高性能の医療用マスクをして、隔離できる個室で過剰な免疫反応を抑える薬などを投与する治療を行うしかなかったということです。

女性がコロナと確認されたのは、入院から1週間後に亡くなったあとで、上出庸介医長は「肺炎の進行はあまりに早く、非常に厳しいと感じた。検査や治療法もなくて、不安やもどかしさがあった。目の前で新型コロナが死に至る疾患になりうることを感じた」と振り返りました。

病院では、その後、感染の第8波に至るまで、13日までに988人の入院を受け入れ、高齢者など71人が死亡したということです。

安達献病院長は「高齢者が死亡するケースは決して少なくはなく、病院として気を緩める状況ではない。重症化リスクのある人たちがいることに思いをはせて、感染対策を考えてほしい」と話していました。