【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(6日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる6日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

英国防省 一方的な併合地域の「ロシア化」に警戒

ロシアのプーチン政権は、ことし9月に国内各地で予定している地方議会選挙などにあわせて、一方的な併合に踏み切ったウクライナ東部と南部の4つの州でも選挙を実施すると主張しています。

これについてイギリス国防省は6日「ロシアでは選挙は有権者にとって民主的な選択とはなっていないが、指導部は新たな選挙で占領をさらに正当化する持論を展開しそうだ」として占領地域のいわゆる「ロシア化」に向けた動きが強まることに警戒感を示しました。

ロシア ウクライナの非難を警戒

ロシア国防省は5日、声明を発表し、ウクライナ側が近く、東部ドネツク州のウクライナ側の拠点のひとつクラマトルシクで医療施設などを爆撃し、ロシアが民間施設を標的に攻撃したと非難してくる可能性があると主張しました。

また「西側のメディアはロシア軍による新たな残虐行為として描き、ロシア領内を攻撃するための射程の長いミサイルのウクライナへの供与を急がせるのだろう」としていて、欧米による射程の長い兵器の供与に神経をとがらせていることをうかがわせています。

ロシア軍は、ドネツク州のウクライナ側の拠点の掌握を狙って激しい攻撃を続けていて、クラマトルシクでは今月1日、ロシア軍によるミサイル攻撃で集合住宅が倒壊し、多くの死傷者が出ました。

これに対してウクライナ側は、ロシア軍が侵攻開始から1年となる今月にあわせて大規模な攻撃を仕掛けてくるという見通しを示し、警戒を強めています。

プーチン大統領 下旬に年次教書演説か

ロシア国営のタス通信は議会関係者の情報として、去年は見送られる形となったプーチン大統領による年次教書演説が、今月下旬に行われる可能性を伝えています。

年次教書演説は、大統領が内政や外交の基本方針を示すもので、ロシアによる軍事侵攻から1年を前にしたプーチン政権の動きに関心が集まっています。

ゼレンスキー大統領「前線のさまざまな場所で圧力強まっている」

ウクライナのゼレンスキー大統領は5日に公開した動画で「占領者たちは去年の敗北の雪辱を果たすために、2月に何か象徴的なことをしたがっているという多くの報告を受けている。前線のさまざまな場所で圧力が強まっている」と述べ、侵攻から1年となる今月に合わせロシア軍が攻撃を強めているとして警戒感を示しました。

そのうえで「ドネツク州は激しい戦闘が続き、かなり厳しい状況だ。しかし、どんな困難や圧力があっても私たちは耐えなければならない。私たちにはみずからを守り勝利する以外に選択の余地はない」と述べ徹底抗戦する構えを強調しました。

カナダ ドイツ製戦車「レオパルト2」輸送開始

ウクライナ側が供与を強く求めてきたドイツ製の戦車「レオパルト2」について、カナダのアナンド国防相は4日、ツイッターでウクライナに向けてこの戦車の最初の1両の輸送を始めたと明らかにしました。

アナンド国防相は「カナダのレオパルト2を輸送している。ウクライナに対するカナダの支援は揺るぎないものだ」というメッセージとともに戦車が輸送機に積み込まれる様子の映像を投稿しました。

カナダは先月26日、保有する「レオパルト2」4両を供与し、兵士を派遣して運用訓練などを行うと発表していました。

レオパルト2はウクライナ側が欧米の主力戦車の中でも戦況を打開するうえで有効だとしていて、ドイツやポーランドなど欧米の複数の国がウクライナへの供与を表明しています。

ウクライナ国防相「2月にロシアが攻撃の可能性」

ウクライナのレズニコフ国防相は5日、記者会見を開き「2月にロシアが攻撃を仕掛けてくる可能性がある。象徴的な理由からで軍事的には論理的ではなく、ロシアも準備ができているわけではない。それでも彼らは来るだろう」と述べ、侵攻から1年となる今月に合わせロシア軍が大規模な攻撃を行うという見通しを示しました。

そのうえで「欧米側の兵器がすべて間に合うとは限らない。しかしわれわれは準備ができている」と述べ、徹底抗戦する構えを強調しました。

米 戦争研究所 “東部攻撃のためロシア軍が部隊集中”

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は4日、ロシア軍が、東部ルハンシク州の州内西部と、ドネツク州のバフムトで決定的な攻撃を行うため部隊や兵器を集中させていると指摘しました。

東部ハルキウ 市内中心部に2発のミサイル 複数のけが人も

ウクライナ東部のハルキウで、5日、市内中心部に2発のミサイルが撃ち込まれ、このうち1発は集合住宅の近くに着弾しました。
ハルキウ州のシネグボフ知事によりますと、集合住宅では複数のけが人が出ているということです。

現地の映像では、集合住宅の近くにはがれきが散乱し、部屋の窓も大きく壊れています。
住宅に住んでいる女性は「強い爆風があり、ほんの一瞬のできごとだった。友人はガラスの破片でケガをして、救急車で運ばれた」と話していました。

また、市内の大学にも別のミサイルが着弾し、現地の映像では、建物の上層階が大きく破壊されている様子がわかります。
大学に務める男性は「ロシアとの戦争が始まって、攻撃されるのは3回目だ。今回は中心的な建物が破壊された」と厳しい表情で話していました。