ゼレンスキー大統領 “前線は困難な状況”徹底抗戦の姿勢強調

ウクライナ東部でロシア軍とウクライナ軍の激しい攻防が続く中、ゼレンスキー大統領は、前線が困難な状況になっているという認識を示したうえで、徹底抗戦を続ける姿勢を強調しました。

ウクライナ国防省は4日、SNSで、ロシア軍が東部ドネツク州やハルキウ州などに戦力を集中的に投入し、攻勢に出ていると発表しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、新たに公開した動画で、ドネツク州のウクライナ側の拠点の一つのバフムトなどについて「占領者は今、われわれの防御を突破するためにより多くの部隊を投入していて、前線の状況はますます困難になっている。兵士たちの立ち直る力が重要だ」と述べ、徹底抗戦を続ける姿勢を強調しました。

そのうえで、イギリスが供与を決めている主力戦車「チャレンジャー2」をウクライナ兵が扱うための訓練がすでにイギリスで始まっていることに触れ、「戦場では大きな意味を持つことになるだろう」と述べ、戦車の投入が戦況の流れを変えることに期待を示しました。

一方、ロシアの前の大統領で安全保障会議のメドベージェフ副議長は、アメリカが射程の長いロケット弾の供与を発表したことについて、4日、ロシアの記者の質問に文書で回答した中で「われわれは核抑止力の原則に従い、脅威の性質に応じてあらゆる種類の兵器を使う用意がある。その対応は迅速で厳しいものになる」と主張し、再び核戦力をちらつかせて威嚇しました。

メドベージェフ氏は、これまでも強硬な発言を繰り返し、欧米によるウクライナへの軍事支援をけん制しています。