ベトナム人女性殺害 60歳被告に無期懲役の判決 大阪地裁

去年4月、大阪 淀川区の弁当店で働くベトナム国籍の31歳の女性を殺害したとして、強盗殺人などの罪に問われた60歳の被告に対して、大阪地方裁判所は「金欲しさの身勝手な行動で冷酷だ」などとして無期懲役を言い渡しました。

住所不定の無職、山口利家被告(60)は、去年4月、当時住んでいた大阪 淀川区の建物の2階にある部屋で、1階の弁当店のアルバイト従業員で、ベトナム国籍のヴォ・ティ・レ・クインさん(当時31)をうその話で誘い込んで首を絞めて殺害し、現金およそ2万6000円を奪ったとして強盗殺人などの罪に問われました。

これまでの裁判で、被告は「殺す目的や金をとる目的で誘っていない」と述べて強盗殺人の罪について否認していました。

3日の判決で、大阪地方裁判所の中川綾子裁判長は、強盗殺人の罪を認定したうえで「金ほしさの身勝手な行動で冷酷だ。重罪を犯したことへの反省が見受けられない」などとして検察の求刑どおり、無期懲役を言い渡しました。

最後に裁判長は、山口被告に対して「全く落ち度のない未来ある1人の女性の夢を打ち砕いた結果は、ちゃんと受け止めてください。被害者のご冥福を祈りながら、刑に服してください」とことばをかけました。

夫のファン・タン・ユィさん「奥さんに報告したい」

ヴォさんの夫のファン・タン・ユィさん(36)は、妻の結婚指輪をネックレスにして身に着け、法廷で判決を聞きました。

判決のあと、ファンさんは「被告が無期懲役となったことは満足です。帰ったら奥さんに報告したい。奥さんは、天国で安らかに休むことができる」と話していました。

ヴォさんの兄「家族の痛み 少しは和らぐ」

判決のあと、ヴォさんの兄、ヴォ・タイン・チュンさん(44)は「被告が無期懲役となり、厳しい判決になった。家族の痛みが少しは和らぐことができたと思います」と話していました。