EU ロシアの戦争犯罪を証明する「国際センター」設置へ

EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長が2日、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談し、会見でロシアによる戦争犯罪の証拠を収集するためのセンターをオランダに設置すると明らかにしました。

2日、EUのフォンデアライエン委員長らがウクライナの首都キーウに到着し、ゼレンスキー大統領と会談しました。

その後の記者会見でフォンデアライエン委員長は「この憎むべき罪を犯しているロシアに法廷で責任を負わさなければならない」と述べ、ロシアによる戦争犯罪を証明するための「国際センター」をオランダのハーグに設置すると明らかにしました。

センターではウクライナなどと連携して訴追に必要な証拠の収集などを行うとしています。

また、フォンデアライエン委員長は「ヨーロッパは侵攻の1日目からウクライナとともにいる。私たちがここにいることはEUが長期的にウクライナを支援する意思があることを意味する」と述べ、ウクライナへの支援を継続する考えを強調しました。

そして、侵攻から1年となる今月24日までにロシアに対してさらなる制裁を科す意向を示しました。

これに対してゼレンスキー大統領は「制裁のスピードが遅くなっている。こうした措置が迅速に行われることで私たちはロシアによる侵略を打ち負かすだろう」と述べ、さらなる制裁強化の重要性を訴えました。

EUとしては、侵攻から1年にあわせて委員長みずからがキーウを訪問することで、ウクライナとの連携を示し、攻勢を強めるロシアをけん制するねらいもあるとみられます。