【詳しく】ロシア ウクライナに軍事侵攻(3日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる3日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ東部・南部で砲撃 激しい戦闘続く

ウクライナ東部では激しい戦闘が繰り返されていて、ハルキウ州の知事は、3日の未明にロシア軍が住宅地に砲撃を行い、住民2人が死亡したとSNSに投稿しました。

また、南部ヘルソン州の当局は3日、過去24時間でロシア軍の砲撃によって、あわせて2人が死亡し、5歳の子どもを含む9人がケガをしたと発表しました。

ウクライナ国防省 プーチン大統領の演説に反発

ロシアのプーチン大統領が2日の演説で、過去のナチス・ドイツとの戦いと重ね合わせる形でウクライナ侵攻を正当化しました。

これに対して、ウクライナ国防省は2日「ナチスの精神的な継承者であるロシアはウクライナの都市を地上から消し去ろうとしている。占領できない都市は廃虚と化している」とSNSで強く反発した上で、徹底抗戦の姿勢を改めて強調しました。

ゼレンスキー大統領「ロシアへの圧力 一層強化が必要」

ウクライナのゼレンスキー大統領は2日、新たに公開した動画で「ロシアの戦略的な敗北はすでに明確な段階になっている。しかし戦術的にはロシアはまだ攻勢をかける力を持っていて、戦争の流れを変えるための選択肢を探している」と述べました。

そのうえで「ウクライナを守るための軍事支援を世界に求めるとともに、ロシアに対する世界的な圧力を一層強化することが必要だ」と述べ、各国にさらなる支援を訴えました。

また、ゼレンスキー大統領はウクライナが目指しているEU=ヨーロッパ連合への加盟について「すでに加盟に向けた交渉を始めるのにふさわしい状態になっていると信じる」と述べ、意欲を示しました。

EU ロシアの戦争犯罪を証明する「国際センター」設置へ

2日、EUのフォンデアライエン委員長らがウクライナの首都キーウに到着し、ゼレンスキー大統領と会談しました。

その後の記者会見でフォンデアライエン委員長は「この憎むべき罪を犯しているロシアに法廷で責任を負わさなければならない」と述べ、ロシアによる戦争犯罪を証明するための「国際センター」をオランダのハーグに設置すると明らかにしました。

センターではウクライナなどと連携して訴追に必要な証拠の収集などを行うとしています。

また、フォンデアライエン委員長は「ヨーロッパは侵攻の1日目からウクライナとともにいる。私たちがここにいることはEUが長期的にウクライナを支援する意思があることを意味する」と述べ、ウクライナへの支援を継続する考えを強調しました。

そして、侵攻から1年となる今月24日までにロシアに対してさらなる制裁を科す意向を示しました。

EUとしては、侵攻から1年にあわせて委員長みずからがキーウを訪問することで、ウクライナとの連携を示し、攻勢を強めるロシアをけん制するねらいもあるとみられます。

ロシア外相 “欧米側 ロシアに対抗するためモルドバを利用”

ロシアのラブロフ外相は2日、国営テレビのインタビューで、ウクライナの隣国、モルドバについて「西側はウクライナに続く『反ロシア』の役割をモルドバに期待している」と述べ、欧米側がロシアに対抗するため、モルドバを利用しようとしていると一方的に主張しました。

さらに「西側は民主主義とは程遠い手段で、NATO=北大西洋条約機構への加盟に前向きな大統領をモルドバに誕生させた。モルドバの大統領はルーマニア国籍を持ち、国をルーマニアに統合する用意がある」などと独自の見解を展開しました。

これに対して、モルドバ外務省は2日、直ちに声明で反論し「モルドバが目指しているのはEU=ヨーロッパ連合への加盟で、この方針は国民に支持されている。国民の選択を尊重してほしい」として、モルドバが欧米側に利用されているというロシア側の見方を強く否定しました。

モルドバのサンドゥ政権はEU加盟を目指していますが、国内には一方的に分離独立を宣言してロシア軍が駐留を続ける地域があり、ウクライナに軍事侵攻したロシアへの警戒感を強めています。

プーチン大統領 演説「ドイツの戦車に再び脅かされている」

ロシアのプーチン大統領は2日、第2次世界大戦で旧ソビエト軍がナチス・ドイツ軍と激戦を交わした南部の都市ボルゴグラードで演説しました。

このなかで「ナチスのイデオロギーが再びわれわれの国に対する直接的な脅威を作り出そうとしている。ドイツの戦車レオパルトに私たちは再び脅かされている」と述べ、ウクライナに対して主力戦車レオパルト2の供与を決定したドイツなどを強く批判しました。

ウクライナ国防相 “軍事侵攻1年 ロシアの大規模攻撃に警戒”

ウクライナのレズニコフ国防相は1日、訪問先のフランスで地元テレビ局のインタビューに答え「ロシア軍は2月24日前後に何かしらの試みをしようとするだろう」と述べ、軍事侵攻から1年となる時期に合わせてロシア軍が大規模な攻撃を仕掛けてくることに警戒感を示しました。

さらに「われわれはロシア軍を過小評価しない。ロシアは公式には30万人の予備役を動員したと発表したが、国境の部隊を観察するかぎり、それよりずっと多く動員されていると見ている」と述べ、ロシアが実際には50万人を動員した可能性もあるという見解を示しました。

そのうえで「われわれは可能なかぎり早く備えなければならない。敵を抑え込むための武器が必要だ」と述べ、今後のロシア軍の攻勢に備えるためにもウクライナへの軍事支援が迅速に行われる必要があると訴えました。