KDDIとソフトバンク 通信障害時などに双方の回線使えるプラン

KDDIとソフトバンクは、通信障害が起きた場合でも利用者が通話などを行えるよう、1台のスマートフォンで双方の通信回線を使えるサービスを、来月下旬以降に導入することになりました。

携帯電話サービスでは、去年7月にKDDIで2日半以上にわたる大規模な通信障害が起きるなど、各社でトラブルが相次ぎ、安定した通信環境を利用者にどう提供するかが課題となっています。

このため、KDDIとソフトバンクは、通信障害や災害などが起きた際に双方の通信回線をバックアップ用の回線として利用できる、新たなプランを導入することになりました。

1台のスマートフォンで2社分の回線を利用できる「デュアルSIM」と呼ばれる仕組みを使い、両社とも月額の基本料金は低く抑えたい方針です。

来月下旬以降サービスの提供を開始する予定で、両社は、ほかの携帯会社とも同じような仕組みを導入できないか協議しているということです。

総務省では、通信障害が起きた時にほかの会社の通信網を利用できる「ローミング」の導入に向けて議論を進めていますが、コストなどが課題となっており、事業者の間で先行的に対応を始めた形です。

KDDI社長「基本料金は数百円程度に」

ソフトバンクとの取り組みについて、KDDIの高橋誠社長は2日の会見で、「固定電話が普及していた昔と違って、通信の代替手段がなくなっていることを改めて感じ、障害時の対応ではふだん競合している他社とも協調すべきだと考えた。今回のサービスは保険のような位置づけで、基本料金は数百円程度にして、できるだけたくさんの人に使ってもらえるようにしたい」と述べました。