フランスとオーストラリア ウクライナに弾薬供与で合意

欧米各国が主力戦車の供与を相次いで表明したのに続いて、フランスとオーストラリアが弾薬の供与で合意するなど反転攻勢を強めたいウクライナを支える動きが広がっています。

ウクライナでは、東部などでロシア軍との激しい戦闘が続いていて、ゼレンスキー大統領は29日、欧米側に兵器の供給を加速させるよう訴えました。

ドイツやアメリカなど欧米各国は戦車の供与を相次いで表明していて、このうちイギリスのウォレス国防相は30日、主力戦車「チャレンジャー2」が前線に投入される時期について「夏よりも前の5月、あるいは4月のキリスト教の復活祭、イースターの頃になる」と述べました。

さらに、フランスとオーストラリアは30日パリで行った外務・防衛の閣僚協議、いわゆる「2プラス2」で、ウクライナに対して弾薬を供与することで合意しました。

弾薬は、フランスがウクライナに供与した最新鋭のりゅう弾砲「カエサル」などで使用する155ミリ口径の砲弾で、フランスとオーストラリアが数千発を共同で製造し、ことし3月末までに最初の供与を行いたいとしています。
一方、ウクライナは、アメリカ製の戦闘機の供与も求めていると伝えられていますが、アメリカのバイデン大統領は30日、記者団からウクライナにF16戦闘機を供与するつもりがあるかどうか聞かれ、「ノーだ」と答えました。

アメリカとしては、ロシアをさらに刺激して戦闘がエスカレートするのを避けたい考えとみられます。