新型コロナ 世界の死者は680万人以上に 警戒と緩和の模索続く

新型コロナウイルスの感染拡大に対して、WHO=世界保健機関が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言して3年となります。
新たな変異ウイルスの出現に警戒を続けながらどのように感染対策を緩和するか各国で模索が続いています。

WHOは2020年1月30日、新型コロナウイルスの感染拡大に対して「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。

それから3年となり、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のまとめでは、世界全体で新型コロナウイルスに感染が確認された人は6億7000万人以上、死者は680万人以上となっています。オミクロン株が世界各地で広がった去年1月ごろには、1日あたりの新たな感染者数が200万人を超えました。

その後、世界全体では、感染者数や死者数の報告は減っていますが、多くの国で、感染者数の確認が厳密に行われなくなり、実態の把握は困難になっています。

また、中国では感染を徹底して抑え込む「ゼロコロナ」政策が行われてきましたが、先月、感染対策が大幅に緩和されたあと各地で感染が急拡大しました。現地の感染症の専門家は『人口のおよそ80%がすでに感染した』という見解を示していて、11億人余りが感染した可能性があります。

この1年、各国は、屋外でのマスクの着用義務や入国後の隔離の規制を撤廃するなど、感染対策の緩和を進めてきました。

ただ、新型コロナウイルスは、この3年間、変異を繰り返してきました。オミクロン株も変異を繰り返し、日本でも去年夏以降主流となった「BA.5」のあと、さらに変異が加わった「BQ.1」の割合が多くなってきているほか、アメリカでは、より感染力が高いおそれがある「XBB.1.5」が急速に広がっています。
こうした中、新たな変異ウイルスの出現を把握する監視力が弱まっているという課題も指摘されています。どのように感染対策の緩和を進めるか、各国が模索するなか、WHOのテドロス事務局長は、今月24日の会見で、「私たちはパンデミックが発生した3年前よりも明らかによい状態にあるが、国際社会における対応は再び緊張にさらされている」と述べ、改めて注意を呼びかけました。