プーチン大統領 80年前の激戦地訪問 侵攻継続を示すねらいか

ロシアのプーチン大統領は、第2次世界大戦でナチス・ドイツとの激戦地となったサンクトペテルブルクで犠牲者を追悼しました。国民の愛国心に訴えウクライナへの軍事侵攻をさらに続けていく姿勢を示すねらいがあるとみられます。

第2次世界大戦中レニングラードと呼ばれたロシア第2の都市サンクトペテルブルクは、ナチス・ドイツが1941年9月からおよそ900日間にわたって包囲し数十万人の犠牲が出た激戦地となりました。

18日は、ちょうど80年前、当時のソビエト軍が街の包囲網を突破し、翌年の完全解放につながった節目だとして現地で記念の式典が開かれました。

式典でプーチン大統領は、自分の父親も戦った地に建てられた記念碑や共同墓地で花をささげて犠牲者を追悼しました。

このあとプーチン大統領は退役軍人や愛国者による団体の代表と面会するほか、軍需工場を視察する予定です。

ウクライナへの侵攻を続ける中、プーチン大統領は去年8月、兵士の総数をおよそ115万人に増やすことを決めましたが、ロシアのショイグ国防相は17日、さらに150万人に増やすことをプーチン大統領が決定したと明らかにしました。

これについてロシア大統領府の報道官は「欧米諸国による代理戦争に対応するためだ」と主張しています。

プーチン大統領としては当時の激戦を追悼し功績をたたえることで国民の愛国心に訴え、国際社会の批判を顧みることなくウクライナへの軍事侵攻をさらに続けていく姿勢を示すねらいがあるとみられます。