巡視船「えちご」は全長およそ105メートル、総トン数3100トンでヘリコプター1機を搭載できる大型巡視船です。
新潟海上保安部に所属し、▽能登半島沖の「大和堆」と呼ばれる海域で違法操業を行う外国漁船への対応や、▽東南アジア周辺海域での海賊対策などにあたっています。
巡視船「えちご」新潟 沖合で浅瀬に乗り上げ浸水 けが人なし
18日朝、新潟海上保安部に所属する巡視船「えちご」が新潟県柏崎市の沖合で浅瀬に座礁しました。乗員33人にけが人はいないものの、船は浸水していて、海上保安部は巡視船など3隻を現場に向かわせ、準備が整いしだい、救助や船体の移動に向けた活動を始めることにしています。
18日午前6時半ごろ、新潟県柏崎市の椎谷鼻沖を航行していた巡視船「えちご」の乗員から「沖合の浅瀬に船が乗り上げた」と海上保安部に連絡がありました。
新潟海上保安部によりますと、乗員33人にけがはありませんが、周囲には油が浮き、船は浸水しているということです。
このため海上保安部は、乗員の救助や船体の移動のため、別の巡視船2隻と巡視艇1隻の合わせて3隻を現場に向かわせ、準備が整いしだい、活動を開始する方針です。
また、船体の損傷について機動救難士が調べることにしています。
午前11時すぎの時点で巡視船「えちご」は座礁したままで、乗員は船内にとどまっているということです。
現場は柏崎市にある椎谷鼻灯台から北西におよそ1.1キロ離れた浅瀬で、海上保安部によりますと、巡視船「えちご」は当時、灯台の明かりが消えているのを見て確認のため接近したところ座礁したということです。
当時の天候は雨で、南西の風がおよそ11メートルとやや強かったということで、海上保安部が詳しい状況を調べています。
新潟海上保安部の小野雄介部長はコメントを発表し「大変遺憾に思っている。速やかに原因を究明し再発防止の徹底を図ります」としています。
巡視船「えちご」とは

過去の座礁事故は
海上保安庁の巡視船艇が座礁する事故はこれまでにも起きています。
2021年には、北海道の小樽海上保安部の大型巡視船「えさん」が出港しようとした際に安全確認を怠り、浅瀬で座礁しました。
また2009年には、石川県の七尾海上保安部の巡視艇「はまゆき」が船の位置を十分に確認しないまま航行させ、沿岸の浅瀬で座礁する事故がありました。
2021年には、北海道の小樽海上保安部の大型巡視船「えさん」が出港しようとした際に安全確認を怠り、浅瀬で座礁しました。
また2009年には、石川県の七尾海上保安部の巡視艇「はまゆき」が船の位置を十分に確認しないまま航行させ、沿岸の浅瀬で座礁する事故がありました。
海上保安庁長官「極めて重大な事故」

巡視船「えちご」が座礁した事故について、海上保安庁の石井昌平長官は定例の記者会見で「海の安全を守るべき海上保安庁の巡視船が、このような事故を起こしたことは誠に遺憾で、極めて重大な事故と重く受け止めています。国民や地域の皆様にご心配をおかけし、誠に申し訳ございません」と陳謝しました。
松野官房長官「再発防止に努め安全対策の徹底を」

松野官房長官は、午前の記者会見で「沿岸部をパトロール中に、付近の灯台の点灯状況の確認を行うために近づいたところ、船体に衝撃を認め、機関が停止し、自力航行ができない状況となった」と説明しました。
そのうえで「船内に浸水があり、油の流出を認めているが、差し迫った危険はなく、乗組員のけがなどはない。周辺を航行する他の船舶への被害もない。今後、事実関係の究明がなされるものと承知しているが、把握した事実に即して再発防止に努め、安全対策の徹底を図ることが必要だ」と述べました。
そのうえで「船内に浸水があり、油の流出を認めているが、差し迫った危険はなく、乗組員のけがなどはない。周辺を航行する他の船舶への被害もない。今後、事実関係の究明がなされるものと承知しているが、把握した事実に即して再発防止に努め、安全対策の徹底を図ることが必要だ」と述べました。
地元の漁業関係者「船底ひっかけやすい注意している場所」

柏崎市の漁業関係者は「原子力発電所があるので、よく巡視船が通る場所です。このあたりは岩場が続いていて浅瀬になっています」と話していました。
また、別の漁業関係者は「船が底をひっかけやすい場所として漁業関係者は注意している場所です。先日、山口県沖の瀬戸内海で海上自衛隊の護衛艦の事故があったばかりで、こうした事故が続かないようにしてほしい」と話していました。
また、別の漁業関係者は「船が底をひっかけやすい場所として漁業関係者は注意している場所です。先日、山口県沖の瀬戸内海で海上自衛隊の護衛艦の事故があったばかりで、こうした事故が続かないようにしてほしい」と話していました。