ウクライナ ロシアの軍事侵攻で市民7000人超死亡 国連発表

国連はロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めて以降、ウクライナでミサイル攻撃などにより死亡した市民が7000人を超えたと発表し、犠牲者が増え続けています。こうした中、ロシアはショイグ国防相が作戦区域の部隊の司令部を視察したと発表し、部隊の士気を高めるねらいがあるものとみられます。

国連人権高等弁務官事務所は16日、ウクライナでは去年2月24日にロシアの軍事侵攻が始まって以降今月15日までに、ミサイル攻撃や砲撃などによって、433人の子どもを含む市民少なくとも7031人の死亡が確認されたと発表しました。

ただ、戦闘地域やロシアの支配地域では情報の確認が遅れているため、実際の死傷者数は発表を大きく上回るという見方を示しています。

今月14日には東部の都市ドニプロで9階建てのアパートにロシア軍のミサイルが着弾し、ウクライナの非常事態庁は17日、これまでに子ども4人を含む44人が死亡し79人がけがをしたほか、依然として20人の行方が分かっていないとしています。

ロシア大統領府は、ウクライナ側のミサイルの誤爆の可能性があると一方的に主張していますが、イギリス国防省は17日、ロシア軍の爆撃機から発射された大型の対艦ミサイルの可能性が高いと指摘しました。

そして、このミサイルは市街地の標的を識別する能力が低いとしたうえで「ロシアの長距離攻撃能力の機能不全がさらに深刻になっていることを示唆している」と分析しています。

こうした中、ロシア国防省はショイグ国防相が作戦区域の部隊の司令部を視察したと17日、発表しました。

ロシア語で「東部」を意味する「ボストーク」の部隊本部だとしていますが、具体的な場所は明らかにしていません。

公開された映像では、ショイグ国防相は戦況報告を受けたあと「『勝利の日』を早く迎えるために全力を尽くすように」と述べていて、部隊の士気を高めるねらいがあるものとみられます。