【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(15日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる15日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナに大規模なミサイル攻撃 “少なくとも20人死亡”

ウクライナでは14日、首都キーウなど各地でロシア軍による大規模なミサイル攻撃が行われ、ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官はこれまでに子どもを含む20人が死亡、73人がけがをし、およそ40人の安否が分かっていないとSNSで明らかにしました。

またハルシチェンコ・エネルギー相は14日、SNSで各地の電力施設が被害を受けたことで緊急停電が実施されたことを明らかにしたうえで「今後数日間は厳しい状況になる」と投稿し、再び電力需給がひっ迫する事態が懸念されています。

ゼレンスキー大統領「テロ止めるために兵器が必要」

ウクライナのゼレンスキー大統領は動画を公開し、「ロシアによる攻撃でドニプロでは9階建ての住宅が破壊された。けがをして治療を受けている人の中には子どももいて、最年少は3歳の女の子だ。残念ながら死者数は刻々と増えている」と述べロシアを非難しました。

また、今回の攻撃でエネルギー関連のインフラ施設も被害を受けたことも明らかにし「最も深刻な状況にあるのはハルキウ州とキーウ州だ。一刻も早く発電と供給を再開するため、24時間態勢で作業が進められる」と述べました。

そのうえで「ロシアによるテロを止めるために必要なものは、パートナーたちが保有している兵器だ」と述べ、さらなる軍事支援の必要性を強調しました。

ロシア有力紙 “プーチン大統領側 来年の大統領選の立候補準備”

ロシアの有力紙「コメルサント」は、ロシアの大統領選挙は来年3月に予定通りに行われ、プーチン大統領側が立候補に向けた準備を始めたと伝えました。

「コメルサント」がプーチン政権に近い関係者の話として伝えたところによりますと、政権の担当者がプーチン氏の立候補に向けて最近、専門家たちと協議を行ったということです。

また、政権としては、ウクライナ侵攻や経済制裁が強まるなかでことし9月に行われる予定の統一地方選挙で有権者の動向を注視し、次の大統領選挙に備えていくということです。

プーチン氏は2000年に大統領に就任した後、首相の時期を経て2018年からは4期、大統領をつとめています。2020年には憲法を改正し、2036年まで続投することが可能となっていますが、プーチン氏は次の大統領選挙に立候補するかなど、みずからの去就については明らかにしていません。

軍事侵攻が続くなかプーチン大統領が5期目を目指し来年以降も政権を担うのか、動向に関心が集まっています。

ドニプロペトロウシク州知事 “住宅攻撃受け少なくとも5人死亡”

ウクライナではロシアによるミサイル攻撃が各地で相次ぎ、ウクライナ軍は、ロシア側が38発のミサイルを撃ち、このうち25発を撃ち落としたと発表しました。

一連の攻撃によって各地で被害が出ていて、このうち東部ドニプロペトロウシク州の知事は、ドニプロの高層住宅が攻撃を受け、少なくとも5人が死亡、子ども12人を含むおよそ60人がけがをしたとSNSで明らかにしました。

がれきの下に取り残された人がいて、死傷者の数がさらに増えるおそれがあるとしています。

また、首都キーウでもロシア軍による攻撃が確認されたほか、西部リビウでも重要なインフラ施設への攻撃があったと地元の知事が明らかにしています。

一連の攻撃についてゼレンスキー大統領は「このテロに関わったすべての人間を見つけだし、責任を負わせる」とSNSに投稿し、ロシアを厳しく非難しました。

ウクライナでは、先月31日にも首都キーウなど各地でロシア軍による大規模な攻撃があり死傷者が出ていました。

英 陸軍の主力戦車「チャレンジャー2」を供与

イギリスのスナク首相はウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、追加の軍事支援の一環として陸軍の主力戦車「チャレンジャー2」を供与することを伝えました。ウクライナに欧米製の戦車が供与されるのは初めてです。

イギリス陸軍によりますと、「チャレンジャー2」は戦車戦を想定して開発され、120ミリ砲を中心とする火力と高い機動力を兼ね備えています。

これまでボスニア・ヘルツェゴビナとコソボ、それにイラクでの作戦に使われたとしています。

イギリスの新聞テレグラフは「数週間以内に14両が供与される」と伝えています。

電話会談で両首脳は「ウクライナが相次ぐ勝利によってロシア軍を押し戻し、その士気も低下させている」などとした上で「この機に国際社会が軍事的、外交的支援を加速させる必要がある」という認識で一致したということです。

ゼレンスキー大統領は、攻撃力の高い戦車の供与を各国に求めていて、これまで隣国ポーランドとチェコが旧ソビエト製の戦車を供与していますが、欧米製の戦車は初めてです。

各国の間では、戦車の供与は戦闘のさらなる激化につながるとして慎重な意見があり、アメリカ、フランス、ドイツは今月、戦車よりも火力が劣る装甲車の供与を表明しています。

ドネツク州知事「ソレダールはウクライナ支配下にある」

ドネツク州のキリレンコ知事は、ロシア国防省が掌握したと発表したソレダールについてウクライナのメディアに対し「ソレダールはいまもウクライナ政府の支配下にあり、ウクライナ軍が管理している。しかし、町の内外で戦闘が行われ、敵は定期的に新たな部隊を投入している」と述べ、ロシア国防省の発表を否定し、激しい戦闘が続いていると強調しました。

そのうえでキリレンコ知事は「現時点で552人がソレダールに残っている」と述べ、15人の子どもを含む多くの住民が避難できず、町に残ったままだと明らかにしました。町に取り残された住民は、身の安全を守るためにシェルターに避難しているとみられるということですが、予断を許さない状況だとして強い懸念を示しています。