ロシア“ソレダール掌握”と発表もウクライナは防衛継続を主張

ウクライナに侵攻するロシアの国防省は、激戦が続く東部ドネツク州の拠点の掌握をねらい、近郊の町ソレダールを掌握したと発表した一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は「戦いは続いている」と今もこの地域で防衛を続けていると主張しました。

ロシア国防省は13日、激しい戦闘が続いていた東部ドネツク州で、ウクライナ側の拠点の1つバフムトの近郊の町ソレダールを12日夜に掌握したと発表しました。

ロシアの独立系メディア「メドゥーザ」は、ロシア軍が新たな町を掌握するのは去年7月以来だと指摘しています。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は13日に公開した動画で「バフムトやソレダール、そして東部の町や村をめぐる戦いは続いている」と述べ、今もこの地域で防衛を続けていると主張しました。

ロシア軍としてはウクライナ側の反転攻勢を受けロシア国内でも軍部への批判が強まる中、重要な戦果だと誇示したい思惑もあるとみられます。

こうした中、イギリス政府がウクライナへの軍事支援を強化するため、主力戦車の供与を検討していることが分かりました。

スナク首相がウォレス国防相に供与を検討するよう指示し、今後数週間のうちに方向性が示される見通しです。イギリスの首相官邸はNHKの取材に「戦車の供与は、形勢を一変する能力をウクライナに与えることになる」と、その意義を強調しています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は攻撃力の高い戦車の供与を各国に求めています。

一方で、攻撃力の高い戦車の供与をめぐっては、各国の間で戦闘のさらなる激化を招くとして慎重な意見がありアメリカ、フランス、ドイツは、今月、装甲車の供与を表明しています。