民間患者搬送会社 依頼急増で対応できないケースも 群馬大泉町

新型コロナウイルスの感染拡大が続き、消防による救急搬送が増えるなか、患者の搬送を行う民間の会社にも依頼が急増していて、すぐには対応できないケースが出ています。

群馬県大泉町を拠点に患者の搬送を行っている会社では、先月から搬送依頼が急増しているということです。

12日は新型コロナの感染が確認された90代の女性の搬送を群馬県から依頼され、1時間半ほどかけて女性の自宅まで向かい、会社の看護師が付き添いながら病院に搬送しました。

この会社では感染の第8波で高齢者の搬送が増加し、医師の判断を仰いだうえで、酸素を投与しながら搬送するケースが増えているということです。

また、消防の救急車で病院に運ばれたものの、重症ではないなどの理由で入院を断られ、帰宅を余儀なくされる人の搬送もほぼ毎日行っているということです。

12日は1日で10人の患者を搬送し、日によっては4台ある車両がすべて出払って、依頼があってもすぐに対応できないケースも増えているということです。

こうした中でも、できるだけ依頼に応じられるよう先月からは午後6時までとしていた受け付け時間を見直し、スタッフの数を増やして24時間体制で対応するようにしています。

患者の搬送を行う会社の碓氷浩敬社長は「消防救急も民間救急も医療のひっ迫と比例してバタバタしている。なかなか病院の受け入れの調整が決まらなくて、保留されたり翌日に先延ばしされたりする。患者本人からすれば不安だと思うので、もう少し受け入れ病床を広げてほしい」と話していました。