東京消防庁への119番通報 去年は“最多”の100万件超

去年1年間に東京消防庁が受けた119番通報の件数が速報値で100万件を超え、現在の方法で集計するようになってから最多となりました。救急車の出動件数も87万件余りと過去最多を更新していて、新型コロナウイルスの感染拡大の「第8波」の中、ぎりぎりの対応は現在も続いています。

東京消防庁によりますと、去年1年間に寄せられた119番通報は速報値で103万6645件と、現在の方法で集計するようになった平成27年以降で初めて100万件を超え、最多となりました。

救急車の出動件数も速報値で87万2101件に上り、これまでに最も多かった令和元年より4万6000件余り増えて過去最多を更新しました。

新型コロナの感染拡大に加えて、夏に熱中症の搬送が多かったことなどが要因とみられるということです。

感染拡大の「第8波」の中、年が明けてからも通報や救急車の出動の件数は高止まりの状況が続いていて、11日までの11日間の救急車の出動件数はすでに2万9000件を超えているということです。

通報が集中し、つながりにくい時間帯もあるということで、東京消防庁は担当の職員を増やすなどしてぎりぎりの対応を続けています。

東京消防庁総合指令室の藤野祐三消防司令補は「119番通報が鳴りやまない今の状況はこれまでに経験したことがない。電話がつながりにくい時間帯もあるが、かけ続けてもらえれば確実に対応する。1件でも多く、そして速く通報者のもとへ救急隊などを向かわせたい」と話していました。

救急搬送要請の通報相次ぎ東京消防庁のセンターでは

119番通報を受ける東京消防庁の災害救急情報センターには、年が明けてからも新型コロナの患者などから救急搬送を要請する通報が相次いで寄せられていて、11日までの11日間の救急車の出動件数は2万9000件を超え、出動件数が過去最多となった去年の同じ時期を上回るペースになっているということです。

12日も新型コロナに感染した家族の救急搬送を要請する通報などが相次ぎ、電話を受けた東京消防庁の職員が、救急隊を向かわせるなどして対応していました。

このうち、「新型コロナに感染した患者を別の病院に転院させるために救急車で搬送してほしい」という通報では、対応した職員が救急車の出動要請が相次いでいて、すぐに現場に向かえない状況を説明したうえで、民間の救急サービスに依頼するか、保健所や都の窓口に連絡を取り続けてほしいと促していました。

中には、「交通事故の現場に救急車を要請したが、到着が遅い」という催促の電話も寄せられていて、職員が救急隊が遠方から向かっていることを説明していました。