ゼレンスキー大統領 攻防続くウクライナ東部の陣地維持を強調

ロシア軍が攻勢を強めているウクライナ東部について、ウクライナのゼレンスキー大統領は「陣地を維持し、ロシア軍に大きな損失を与えている」と述べ、抵抗を続けていることを強調し、今後の反転攻勢に向けて対応を検討していることを明らかにしました。

ロシア軍はウクライナ側の拠点の一つ、東部のバフムトを掌握しようと、近郊の町ソレダールへの攻勢を強めていて、地元の親ロシア派の指導者は11日、町全体を掌握したと主張しました。

これに対して、ウクライナのゼレンスキー大統領は、12日に公開した動画で「ウクライナ軍は陣地を維持し、ロシア軍に大きな損失を与えている」と述べ、抵抗を続けていることを強調し、今後の反転攻勢に向けて対応を検討していることを明らかにしました。
こうした中、ロシアでは、ウクライナへの軍事侵攻の指揮を執る総司令官に、軍の制服組トップ、ゲラシモフ参謀総長が新たに任命されました。
これについて、アメリカ国防総省のライダー報道官は、12日の記者会見で「ロシアが軍事侵攻を開始して以来、直面し続けている問題を反映している可能性が高い」と述べ、ロシア軍が抱える士気の低下や指揮系統の混乱などを解消するねらいがあるのではないかとの分析を示しました。

ロシア軍は、大規模な攻勢に向けて総司令官を交代させた可能性もあると見られ、ウクライナ東部では、今後も激しい攻防が続くと予想されます。