タイ 中国からの旅行者受け入れ拡大方針 空港で歓迎式典

中国で「ゼロコロナ」政策が終了したことを受けて、東南アジアのタイは、今後、増加が見込まれる中国からの旅行者の受け入れを拡大する方針で、9日は空の玄関口となる空港で到着した旅行者を歓迎する式典が開かれました。

9日は、中国のアモイを出発した旅客機が、バンコク近郊の空港に到着したのにあわせて式典を開き、タイのアヌティン副首相らが200人余りの乗客を歓迎しました。

タイでは、新型コロナ感染拡大前の2019年には、中国からの旅行者がおよそ1100万人と年間の外国人旅行者全体の3割近くを占めていましたが、その後激減した状態が続いています。

観光業を主力産業とするタイ政府としては、経済の立て直しに向けて、今後受け入れを拡大する方針で、各国が中国で感染が急拡大していることを受けて水際対策を強化する中、中国からの旅行者だけを対象にした特別な措置はとらないとしています。

式典では、訪問を歓迎する横断幕が掲げられ、入国した20歳の中国人の女性は「人生で初めての海外旅行なので緊張していますが、タイはすごくいい国だと思います」と話していました。

タイでは、現在、入国の際に新型コロナの陰性証明を提示する必要はありません。

一方で、先週、当局が、外国人の入国者に対してワクチンの接種証明の提示を求めると発表し、9日になって、閣僚がこれを撤回するなど水際対策をめぐって情報が錯そうし、旅行客の間で混乱が起きています。