中国 「ゼロコロナ」政策終了 入国後の隔離などの措置を撤廃

中国政府は、8日から新型コロナウイルスの感染対策を大幅に見直し、入国後の隔離や患者の強制的な隔離などの措置を撤廃しました。
これにより、感染を徹底して抑え込む「ゼロコロナ」政策は終了することになります。

中国政府は、感染症への対応について、8日から新型コロナウイルスを最も厳しい対策が求められる水準から1段階引き下げました。

感染対策を大幅に見直し、ワクチン接種の推進や医療体制の充実などを通じてこれまでの「予防」から今後は「治療」に重点を置くとしています。具体的には、患者を強制的に隔離したり感染が集中した地域を封鎖したりする措置をやめるほか、濃厚接触者の特定も行いません。

また、これまで中国に入国する人に義務づけてきた隔離措置を撤廃し、入国後のPCR検査も行いません。ただ、各地を出発する48時間以内にPCR検査を受けて陰性を証明する必要があります。

一方、中国人の海外旅行については段階的に再開させていく方針ですが、中国政府は国内の旅行会社に対して団体旅行の受け付けや旅行商品の販売を禁止したままで、今のところ具体的な解禁時期を示していません。

今回の見直しによって、感染を徹底して抑え込む「ゼロコロナ」政策は終了しますが、旧正月の春節に合わせた大型連休を前に、出稼ぎ労働者などの帰省が本格化していて、農村部で感染者が増加し、医療体制がひっ迫することへの懸念が強まっています。

ドイツ外務省“中国への不必要な渡航いまは推奨しない”

ドイツ外務省は、中国での新型コロナウイルスの感染の急拡大を受け「中国への不必要な渡航はいまは推奨しない」として、不要不急の渡航を見送るよう7日、ツイッターなどで呼びかけました。

理由として、中国国内の医療体制がひっ迫し、救急医療が影響を受けているため、緊急時に十分な治療を受けられないおそれがあることを挙げています。

EU=ヨーロッパ連合が中国からの渡航者を対象とした水際対策を強化するよう加盟国に推奨したことを受けて、ドイツは、今月9日以降、中国からの渡航者に対して出国前の48時間以内に行った検査での陰性証明を提示するよう求めることにしています。