東京証券取引所で大発会 株価は一時400円以上値下がり

東京証券取引所でことし最初の取り引きが始まり、恒例の大発会で出席者らが活発な取り引きを祈願しました。ただ、株価は値下がりし、厳しい滑り出しとなりました。

大発会は規模縮小して開催

ことしの大発会は、新型コロナの感染対策として規模を縮小して開かれ、証券関係者などおよそ60人が出席しました。

はじめに東京証券取引所を傘下に持つ日本取引所グループの清田瞭CEOが「ことしのえとはうさぎで、株式市場も大きく跳躍する年になることを期待したい」とあいさつしました。

続いて、金融担当大臣を兼務する鈴木財務大臣が「企業価値が向上することで家計の金融資産所得が増えるような企業の成長と資産所得の好循環を実現させ、そのための環境を整備したい」と述べました。

そして、鐘を打ち鳴らしたあと全員で手締めをして、ことし1年の活発な取り引きを願いました。

大発会のあと始まったことし最初の取り引きは、3日のニューヨーク市場で世界の景気減速への懸念が改めて意識されたことなどから、ほぼ全面安の展開で日経平均株価は一時、400円以上値下がりしました。

終値は、去年の年末と比べて377円64銭安い2万5716円86銭と去年3月15日以来の水準まで値下がりし、厳しい滑り出しとなりました。
そして、東証株価指数=トピックスは、23.56下がって1868.15、一日の出来高は12億4487万株でした。

市場関係者は「午後になると、アメリカで製造業の景況感を示す指標が発表されるのを控え、様子見の姿勢が強まった」と話しています。

値下がりスタートも大手証券会社トップからは強気の声

4日は、証券業界の新年祝賀会が開かれ、証券会社や取引所の関係者らおよそ500人が出席しました。

ことし最初となった東京証券取引所の取り引きでは、株価は値下がりでのスタートとなりましたが、大手証券会社のトップの間からは強気の声が聞かれました。

野村ホールディングスの奥田健太郎社長は「ことしは、インフレやウクライナをはじめとした地政学的な動向、各国の政治の動向に大きく影響を受ける1年になるだろう。一方で、インフレは徐々にピークアウトが見込まれているほか、来年度、日本は1.4%ほどの経済成長を見込んでいる。株価は年始は2万5500円程度まで売り込まれるかもしれないが、その後、3万1000円を目指して回復していくのではないか」と話していました。

大和証券グループ本社の中田誠司社長は「ウクライナ情勢やインフレなど、大変不安定な環境下でのスタートにはなるが、日本はG7の中でも高い成長率が見込まれており、景気全体としては緩やかに成長していくだろう。来年度も好調な企業業績が予想され、株価の高値としては3万3000円まで回復する可能性は十分ある」と話していました。