日本が国連安保理 非常任理事国に 石兼国連大使「責任大きい」

日本はことしから2年間、国連安全保障理事会の非常任理事国を務め今月は議長国となります。石兼国連大使はロシアによるウクライナ侵攻などが続くなか、国際社会の平和と安全の維持に取り組むと強調しました。

国連の安全保障理事会は、アメリカやロシアなど5つの常任理事国と、任期は2年で地域ごとに選出される10の非常任理事国の合わせて15か国で構成され、非常任理事国は毎年5か国ずつ改選されます。

ニューヨークの国連本部では3日、ことしから非常任理事国を務める日本、スイス、マルタ、エクアドル、モザンビークの5か国の国旗を掲げるセレモニーが行われました。

日本が非常任理事国を務めるのは12回目で、国連加盟国の中で最も多く、今月は1か月ごとに交代する議長国となります。
石兼国連大使は「安保理の理事国の責任は、かつてないほど大きくなっている。私たちは法の支配を守るために国連憲章の原則を再確認し、安全と生活が脅かされている多くの人々のために何ができるかを考えなければならない」と述べ、ロシアによるウクライナ侵攻などが続くなか、国際社会の平和と安全の維持に取り組むと強調しました。

ウクライナ情勢や北朝鮮問題で大国どうしが対立し、機能不全に陥っていると安保理への批判が高まる中、非常任理事国として最も経験のある日本がどのような役割を果たすのか、問われることになります。

石兼国連大使の会見 “ロシアや中国と本当の対話行う”

石兼国連大使は3日、ニューヨークの国連本部で記者会見を開き、各国のメディアからは、ウクライナ情勢や北朝鮮問題をめぐる質問が相次ぎました。

安保理では、ウクライナ情勢や北朝鮮問題をめぐって、欧米とロシアや中国が対立し、安保理として一致した対応をとることができていません。

会見で石兼大使は、安保理でのロシアや中国との関係について問われると「対話を期待している。中国やロシアと本当の対話を行うことで、安保理で統一された決定を出すことができ、地域の安全保障の状況に変化をもたらすことができる」と述べ、安保理でロシアや中国とも意思疎通を深めていきたい考えを示しました。

また、弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮情勢については「脅威に直面している日本の人たちの声を安保理で伝えたい。安保理が一致した意見を出せるよう最善を尽くすことが私が追求することの一つだ」と強調しました。

このほか会見では、中東やアフリカなど世界各地の安全保障問題について、議長国・日本がどのようなかじ取りをするのか、質問が出されました。