ロシア 動員兵も多数死亡と報道 軍への批判広がる可能性も

ウクライナ侵攻を続けるロシアは3日も東部などへの攻撃を行いました。一方、ロシア国内では、ウクライナ東部で一度に多数のロシア兵が死亡し、そのなかに動員兵も含まれていると伝えられたことで、軍への批判が広がる可能性も出ています。

ロシア軍は、新年になってからも連日ウクライナへの攻撃を続けていて、ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官は、東部ドネツク州と南部ヘルソン州で合わせて3人が死亡し10人がけがをしたと、3日SNSで発表しました。

また、ウクライナの国防省は3日、ロシア軍は、ドネツク州のウクライナ側の拠点の一つ、バフムト方面への攻撃を強めているとし、東部を中心に攻防が続いているとみられます。

こうした中、ロシア中部のサマラ州で3日、軍事侵攻に参加して死亡したロシア兵の追悼式が行われました。

ロシア国営の通信社は、この中にはドネツク州の州都に隣接するマキイウカにある軍の兵舎がウクライナ軍の攻撃を受け死亡した軍人も含まれていると伝えています。

マキイウカの人的被害についてロシア国防省は、アメリカが供与した高機動ロケット砲システム=ハイマースによる攻撃で63人が死亡したと2日、明らかにしています。
ロイター通信が3日に公開した現地の映像では、建物があったとされる場所にはコンクリートの壁が一部残されているだけとなり、大きく崩れたことが分かります。

この攻撃を巡り、ロシアの軍事専門家などからは、兵士を分散させずに大勢を1か所に集めていたことや、兵舎の地下に弾薬を保管していたことが被害の拡大につながったなどとして軍の指導部を批判しています。

また、独立系メディアなどは、死亡した人の中に動員された予備役も多く含まれていると伝えていて、今後こうした兵士の家族などからも軍への批判が広がる可能性も出ています。