プーチン大統領 「ただ戦い、前進」 攻撃続ける姿勢強調

ロシアは31日もウクライナへ相次いで攻撃を行い各地で被害が出ています。こうした中、ロシアのプーチン大統領は軍の司令部を訪問し「ただ戦い、前進しなければならない」などと述べ、攻撃を続ける姿勢を改めて強調しました。

ウクライナメディアなどによりますと、ロシアは大みそかの31日もウクライナ各地に対してミサイルなどを使って攻撃し、これまでに首都キーウでは1人が死亡し20人がけがをしたほか、南部のザポリージャ州やミコライウ州でも、複数のけが人が出たということです。

ウクライナ軍のザルジニー総司令官は31日、SNSでロシアにより巡航ミサイル20発以上が発射され、このうち12発を迎撃したとしています。

戦況を分析しているイギリス国防省は31日「ウクライナの人々の士気を下げるため、今後、数日以内にロシアが攻撃を行う現実的な可能性がある」と指摘し、家族などと過ごす新年にあわせた休暇期間にもウクライナのエネルギー施設などに対する大規模な攻撃を行う可能性があるとの見方を示しています。

こうした中、ロシアのプーチン大統領は31日、ウクライナに隣接する南部ロストフ州にある軍の南部軍管区の司令部を訪れました。

国営のタス通信によりますと、プーチン大統領は侵攻の指揮を執るスロビキン総司令官などに勲章を授与したほか、兵士たちとも会い「諦めるという選択肢はない。ただ戦い、前進しなければならない」と述べ、攻撃を続ける姿勢を改めて強調しました。

テレビ演説で国民に支持と協力を訴え

また、ロシアのプーチン大統領は31日、大みそかの恒例となっている国民向けのテレビ演説をウクライナに隣接し前線に近い南部ロストフ州にある南部軍管区の司令部で行いました。

この中で、プーチン大統領はこの1年を振り返り「困難だが必要な決断をした」と述べた上で、「祖国を守ることは祖先と子孫に対する神聖な義務だ。道徳的、歴史的正義はわれわれの側にある」などと主張し、ウクライナへの軍事侵攻を正当化するとともに、一方的に併合に踏み切ったウクライナの4つの州をロシアの一部だとする姿勢を改めて示しました。

また、「西側はロシアを弱体化させ、分裂させるためにウクライナとその国民を利用している」と持論を展開し欧米側を批判しました。

そしてプーチン大統領は「愛する祖国の未来のためにただ前進し、勝利しよう」と述べ、戦闘が長期化する中、軍事侵攻の継続を強調し国民に支持と協力を訴えました。