ウクライナ各地のインフラ施設などにミサイル攻撃 影響広がる

ウクライナに侵攻するロシア軍は、年の瀬に入っても攻撃を繰り返していて、29日も首都キーウをはじめ各地のインフラ施設などに対する大規模なミサイル攻撃を行い、新たに死傷者も出て、市民生活に深刻な影響が広がっています。

ロシア軍は29日、ウクライナへの大規模なミサイル攻撃を行い、ウクライナ軍のザルジニー総司令官がSNSに投稿したところによりますと、各地のエネルギー関連のインフラ施設に向けて空と海から69発の巡航ミサイルが発射され、このうち54発を迎撃したということです。

一連の攻撃を受けて、東部ハルキウ州のシネグボフ知事は、2人が死亡したことを明らかにしたほか、首都キーウのクリチコ市長は、14歳の女の子を含む3人が負傷し、落下したミサイルの破片で住宅や子どもの遊び場が被害を受けたとしています。

また、南部オデーサ州では、エネルギー関連施設が攻撃を受け、西部リビウでも大規模な停電が起きています。

ロシア軍は年の瀬に入ってもミサイルや無人機を使ってウクライナのインフラ施設への攻撃を繰り返していて、厳しい寒さの中、市民生活に深刻な影響が広がっています。

一方、ロシアと同盟関係にあるベラルーシの国防省は、29日、ウクライナ側からベラルーシに飛来した地対空ミサイルを迎撃し、残骸が南西部のブレスト州に落下したと発表しました。

ベラルーシの国営通信によりますと、けが人などの情報はないということです。

これについてベラルーシ外務省はウクライナの大使を呼んで抗議し事実関係の調査を求めたということです。

一方、ウクライナ国防省は声明を発表し、ロシア軍によるウクライナへのミサイル攻撃を非難したうえで、「ロシアはベラルーシを戦争に引きずり込もうとしている。ロシアが巡航ミサイルを発射しベラルーシの上空で迎撃させるような意図的な挑発を行った可能性は排除できない。今回の件についてウクライナ側は客観的な調査を行う用意がある」とコメントしています。

プーチン大統領 海洋でも核戦力を強化する考えを強調

ロシアのプーチン大統領は29日、ロシア海軍の最新の原子力潜水艦などの進水式に、オンラインで出席しました。

潜水艦は極東ウラジオストクに司令部がある太平洋艦隊に配備されるもので、プーチン大統領は、「ロシア海軍の核戦力を大幅に向上させる弾道ミサイルを搭載している。今後、こうした潜水艦を4隻、建造する」と述べました。

そのうえで「ウクライナの特別軍事作戦などで得られた経験を考慮し、最新兵器を搭載する様々な艦船の建造を急いでいく。海洋での国益を守り、ロシアの安全を確保するため、あらゆることを行う」と述べ、欧米との対立が深まる中、海洋でも核戦力を強化していく考えを強調しました。