新型コロナ 「5類」見直しの影響 専門家らが見解案

新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを季節性インフルエンザなどと同じ「5類」などに見直した場合、どのような影響が出るかについて厚生労働省の専門家会合のメンバーらが見解案をまとめました。

患者が増加したときに入院調整が行われなくなることなどが懸念される一方、濃厚接触者に法律に基づいた行動制限の呼びかけができなくなる影響は少ないなどとしていて、位置づけの変更は必要な準備を進めながら行うべきだとしています。

厚生労働省の専門家会合のメンバーらがまとめた見解案では、現在の新型コロナについてオミクロン株になって感染が広がりやすくなっているうえ、死亡者数が多いなど「季節性インフルエンザと同様の対応が可能な病気になるにはもうしばらく時間がかかる」と評価しています。

そのうえで、厳しい措置をとることができる「2類相当」から「5類」などに変更された場合、患者が増加したときに行政による入院調整が行われず地域を越えた調整も難しくなることや、治療費が公費で負担されなくなり、感染者が検査や治療を受けなくなるなどの懸念があるとしています。

一方で、濃厚接触者に法律に基づいた行動制限の呼びかけができなくなることについては、すでに事実上行われておらず、影響は少ないとしています。

そして今後も、医療がひっ迫したときに調整を行う機能を維持することや、新たな変異ウイルスによって感染者や死亡者が激増する場合は接触機会を減らす対策を考慮することが求められるとしていて、位置づけの変更は必要な準備を進めながら行うべきだとしています。

見解案は、28日開かれる専門家会合に示され、意見が交わされます。