きょうはクリスマスイブ 世界各地のクリスマスは

ロシアによる軍事侵攻や新型コロナウイルスの影響が続くなかでむかえる、ことしのクリスマス。世界各地の表情をまとめました。

ウクライナ ロシアの攻撃続くなかでのクリスマス

ウクライナでは、ロシアによる攻撃が続くなか、少しでもクリスマスシーズンを楽しんでもらおうと、祝賀の雰囲気を抑える形で各地で催しなどが開かれています。

ウクライナでは、毎年12月19日はサンタクロースのモデルになったと言われる聖人が空から降りてくると言われる「聖ミコライの日」で、首都キーウ近郊のイルピンでは19日、この聖人にふんした大人たちが子どもたちにプレゼントを配る年末恒例の行事が行われました。

イルピン中心部の広場では、白い口ひげをたくわえ青い衣装を着た地元の学生ボランティアが集まったおよそ20人の子どもたち一人一人とことばを交わしたあとお菓子を手渡していました。

イベントを主催した女性は「子どもたちを少しでも元気づけようと思い企画しました。ロシアは私たちの命もクリスマスも奪うことはできません」と話していました。
また首都キーウでは19日から中心部の広場で巨大なクリスマスツリーの点灯が始まりました。

ことしのツリーの高さは12メートルと例年の半分以下で点灯時間も短くなっているということですが、午後5時前にウクライナの国旗の色と同じ青と黄色のイルミネーションが点灯すると、集まった市民から歓声があがっていました。

広場を訪れていた10代の女性は「これは私たちの『不屈』の象徴です。停電や断水があっても私たちは負けません」と話していました。

夫と1歳の息子と訪れていた20代の女性は「家族で一緒にいられるこのすべての瞬間を大切にしたいです。子どもが爆発の音で目覚めることのないような平和な国になることが私の一番の願いです」と話していました。

中国「ゼロコロナ」緩和されて初のクリスマス

中国政府は今月7日、「ゼロコロナ」政策を転換させて新型コロナウイルスの感染対策の緩和に踏み切りました。

ことし3月下旬から2か月余りにわたって厳しい外出制限が続いた上海でも公共交通機関を利用する際に義務づけられていたPCR検査の陰性証明の提示が必要なくなるなど市民の負担が大幅に減りました。

対策が緩和されたあと、初めてクリスマスを迎えるのを前に、上海ディズニーランドに隣接する商業施設の広場には、高さ5メートルを超えるクリスマスツリーが設置され、訪れた若者や子ども連れが記念撮影するなどして楽しんでいました。

子どもと訪れた30代の女性は「雰囲気も、流れている歌もクリスマスにあわせたものでとてもいいです。以前はコロナ対策で制限が厳しかったですが、今はマスクだけになりました。しかし、感染対策は大切です」と話していました。

経済危機のスリランカでは

インド洋の島国スリランカは、ことし、財政運営の失敗に新型コロナの影響も重なって外貨不足に直面し、深刻な経済危機に陥りました。急激な物価の高騰が市民生活に大きな影響を及ぼす中でも、クリスマスを楽しもうという人たちの姿が見られました。

スリランカは仏教徒が国民の多くを占めますが例年、クリスマスシーズンは街なかや自宅にクリスマスツリーを飾るなどお祝いムードとなり、最大都市、コロンボの文具店ではことしも、こうした装飾品が販売されています。

ただ、価格は去年のおよそ2倍から3倍に上っていることから買い控える人も多く、店によりますと売り上げは去年の半分程度に落ち込んでいるということです。

客の男性は、「ことしは盛大に祝うのが難しいですが、ささやかなお祝いをしようと思います」と話していました。

また、コロンボの中心部では高校生などで作る合唱団のクリスマスコンサートが開かれ、およそ100人の客が手拍子をしたり、一緒に歌を口ずさんだりして、クリスマスの雰囲気を楽しんでいました。

参加した18歳の学生は、「ことしは、コロナと経済危機の2つの災難に見舞われたが来年は、よりよいクリスマスを迎えられたらいいと思う」と話していました。