プーチン大統領 4州 厳しい戦況認め 治安当局に引き締め求める

ロシア軍は、ウクライナの首都キーウなどでイラン製の無人機による攻撃を繰り返しています。こうした中、プーチン大統領は一方的な併合に踏み切ったウクライナの4つの州について厳しい戦況になっていることを認めたうえで、治安当局に対し、さらなる引き締めを求めました。

ウクライナでは18日から19日にかけて、首都キーウなどで攻撃があり、ウクライナ空軍は、ロシア軍がイラン製の無人機およそ35機で攻撃したものの、このうち30機を撃ち落としたと、19日にSNSで主張しました。

キーウ州のクレバ知事によりますと、無人機の攻撃で、州内でも一部が停電となったほか、3人がけがをしたということです。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は19日、ウクライナ政府の高官の見立てとして、ロシア軍はまだ3回か4回は大規模な攻撃を行うだけのミサイルを保有していて、その後は、イランからミサイルを取得する可能性があると指摘し、ウクライナ側は警戒を強めているとしています。

こうした中、ロシア大統領府は20日、国内の治安関係者に向けたプーチン大統領の動画を公開しました。

この中でプーチン大統領は、ロシアが一方的な併合に踏み切ったウクライナの4つの州について、「今は非常に困難な状況だ」と述べて、厳しい戦況になっていることを認めました。

そのうえで、「軍を含めたロシアの情報機関に最大級の戦力を集中させることが求められている。外国の情報機関の行動を厳しく取締り、売国奴やスパイ、工作員は速やかに特定されなければならない」と述べ、治安当局に対し、ロシア国内のさらなる引き締めを求めました。