欧米各国 ウクライナへの兵器の支援を強化する姿勢

ロシアによる軍事侵攻に対抗するため、イギリス政府がウクライナに新たな精密誘導ミサイルを供与したと改めてSNSに投稿するなど、欧米各国は兵器の支援を強化する姿勢を打ち出しています。

ロシア軍は今月16日にウクライナの首都キーウや東部、南部にミサイル攻撃を行い、ウクライナ側は4人が死亡したほか、発電設備が被害を受け大規模な停電が発生したとしています。

このうち首都キーウでは電力や水、暖房の供給は18日までに復旧したということですが、キーウ市の周辺地域ではおよそ半分の電力しか供給できておらず、氷点下の寒さの中、厳しい状況が続いています。

こうした中、イギリス国防省は17日、SNSに新たな精密誘導ミサイルをウクライナに供与したと改めて投稿しました。

ウクライナ軍が装甲車や戦車を攻撃するのに使われるということです。

またアメリカのバイデン政権もウクライナの防空能力を強化するため、迎撃ミサイル「パトリオット」を供与する方向で最終調整していて、アメリカの一部メディアは近く承認されると伝えています。

「パトリオット」の供与については、ロシアが「新たな挑発行為だ」として反発していますが、ロシアによるミサイル攻撃が続く中、欧米各国はウクライナへの兵器の支援を強化する姿勢を打ち出しています。

ゼレンスキー大統領 ワールドカップにあわせて動画公開

ウクライナのゼレンスキー大統領は18日、サッカーワールドカップカタール大会の決勝戦にあわせて動画を公開し、ロシアによる軍事侵攻を終わらせるため、この冬に平和のために世界各国が団結するサミットの開催を呼びかけました。

動画の中でゼレンスキー大統領は英語で「今回のワールドカップは、国や国籍が違っても誰が一番強いかをフェアプレーで決めることはできても、火遊びで決めることはできないことをあらためて証明した」と述べました。

そのうえでゼレンスキー大統領は「試合が終わればスタジアムは空っぽになる。戦争が終われば街は空っぽのままだ。だからこそ、戦争をなくさないといけない。平和を取り戻す私たちの努力を支援して欲しい」と述べ、各国にサミットへの参加を訴えました。