新型コロナ“後遺症”での受診リスク 感染した人最大6倍ほどに

新型コロナウイルスに感染した人は感染していない人に比べて、いわゆる「後遺症」として報告されることの多い、けん怠感や頭痛などの症状で医療機関を受診するリスクが最大で6倍ほど高いことが名古屋工業大学などの研究で分かりました。

名古屋工業大学の平田晃正教授らの研究グループは、およそ125万人分のレセプト=診療報酬明細書の記録をもとに、新型コロナに感染した人と感染していない人で、いわゆる「後遺症」として報告されることの多い、けん怠感や頭痛、呼吸困難など10の症状で医療機関を受診する人の割合がどの程度異なるか調べました。

その結果、年間の医療費が20万円未満の重い持病がないとみられる人で、これらの症状で受診した人の割合は、おおむね感染の第1波から第3波に当たる去年春までの1年間では、感染していない人では3%だったのに対し、感染した人ではその後6か月間で16%と5倍程度高くなっていることが分かりました。

受診した人の割合は「第4波」や「第5波」の時期でも最大で6倍程度高くなっていましたが、オミクロン株が拡大した「第6波」のことし1月から3月には3倍にまで低下していたということです。

平田教授は「ワクチンの効果や変異ウイルスの病原性もあってリスクが低下した可能性がある。今後さらに調査して後遺症について科学的な証拠を積み上げたい」と話しています。