G7首脳 オンライン会合 ウクライナに防空システム供与へ調整

G7=主要7か国の首脳は、12日、オンラインで首脳会合を開き、ロシアによるインフラ施設への攻撃を受けるウクライナの人たちが冬を越すための支援を行うとともに、防空システムの供与に向け調整を進めることなどを確認しました。

G7の首脳は12日、ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領も交えてオンラインで会合を開きました。

会合後、各国の首脳は声明を発表し、ロシアによるエネルギーや水道などのインフラ施設への攻撃は非人道的だとして非難するとともに深刻な電力不足などに直面するウクライナの人たちが冬を越すための支援を行うことを表明しました。

また、被害を受けたウクライナの重要インフラの復旧の費用は、最終的にはロシアが支払うべきだという考えも明らかにしました。

さらに「防空システムおよびその能力をウクライナへ供与することに焦点を充てる」としてロシアのミサイル攻撃などを防ぐための防空システムの供与に向け調整を進める方針も示しました。

また、G7の議長国は、来年、2023年にドイツから日本に引き継がれますが、会合後に会見したドイツのショルツ首相は「岸田総理大臣の成功を祈っている。私は日本を全力でサポートする」と述べました。

岸田首相 来年のG7サミット議長国として“復興に貢献”

岸田総理大臣は、ロシアの軍事侵攻の継続により、ウクライナ全土で大規模な停電が断続的に起きていることに強い懸念を表明するとともに、市民生活に直結するエネルギー・インフラへの攻撃は断じて容認できないとロシアを強く非難しました。

また冬の寒さが本格化する中、電力不足への対応が目下の最大の課題だとして、国際機関とも連携し、さらなる越冬支援などを進めていく方針を表明しました。そのうえで、来年のG7の議長国としてウクライナの復興に向けて貢献していく考えを伝えました。

また岸田総理大臣は、来年の「G7広島サミット」では、力による一方的な現状変更や核による脅しを断固として拒否するG7の強い意思を示していきたいと強調し、各国首脳から支持が伝えられました。

ゼレンスキー大統領「パートナーたちに感謝」

首脳会合に参加したウクライナのゼレンスキー大統領は、12日に公開した動画で「G7の会合に参加するのはこれで5回目になるが、今回は特にこの冬の支援について話し合った。私はパートナーたちに感謝するとともに、ウクライナに対してことしと同じ支援を来年も継続するように求めた。世界が真に団結していれば、侵略者の意図に関係なく、団結した世界が今後の展開を決める」と述べ、G7の支援に謝意を示しました。

さらに、フランス政府が主催して13日にパリで開かれるウクライナ支援の会議について「この冬を乗り切るためのウクライナの再建と強じん化に関する会議が行われる。特にエネルギー分野病院などの復旧について話し合われるので、ウクライナにとってとても重要な会議で、私も参加する」と述べて会議の成果に期待を示しました。