中国の新型コロナ感染対策緩和 北京で発熱外来の受診者16倍に

中国で先週、新型コロナウイルスの感染対策が緩和されたあと、首都・北京では発熱外来を受診した人が1週間前の16倍に上り、感染が急速に拡大していることをうかがわせています。

中国政府は先週、新型コロナウイルスの感染対策について、多くの場所で提示を義務づけてきたPCR検査の陰性証明を求めないほか、すべての感染者を病院や隔離施設に移す措置をやめて無症状や症状の軽い人は自宅での隔離を認めるなどの緩和に踏み切りました。

感染対策の緩和で、PCR検査を受ける人が大幅に減り、感染者の把握が難しくなるなか、北京市政府は12日の記者会見で、発熱外来を受診した人は、11日、延べ2万2000人となり、1週間前の16倍に上ったことを明らかにし、感染が急速に拡大していることをうかがわせています。

こうした事態を受けて、北京市政府は、市内の病院の発熱外来をこれまでの94か所から3倍の303か所に増やして対応するとしています。

また、新型コロナウイルスの抗原検査キットが品薄になっていることから、12日は一日で2500万回分の検査キットを供給したとしています。

北京にある日本大使館は、感染対策の緩和を受けて、各地で混乱もみられるとして12日、中国に住む日本人に通知を出し、感染の予防に努めるよう呼びかけています。