【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(11日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる11日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

米のシンクタンク “ロシアの無人機攻撃の頻度が加速”

ロシア軍の無人機による攻撃について、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、ロシア軍が、厳しい寒さに対応できるようイラン製の無人機を改良し、3週間ぶりに、これらを使った攻撃を再開した可能性が高いと指摘しています。

そのうえで、無人機による攻撃の頻度が加速しているとして「ロシアが最近、イランから無人機を新たに受け取ったか、まもなく受け取る可能性がある」と分析していて、ウクライナ側の警戒が強まっています。

米の情報機関 “ロシアとイラン 攻撃用無人機の共同生産 検討”

イラン製の無人機をめぐって、アメリカは情報機関の分析として、ロシア国内でロシアとイランが攻撃用の無人機の共同生産を検討しているとの見方を示しています。

また、ロシアが見返りにイランに対してヘリコプターや防空システムなどを提供している可能性があるとしていて、欧米各国は、ロシアとイランの軍事的な協力の深まりに警戒を強めています。

ゼレンスキー大統領「オデーサ州 150万人以上が電気得られない」

ウクライナのゼレンスキー大統領は、10日に公開した動画で、ロシアが南部オデーサ州でエネルギー関連施設を無人機で攻撃したことについて「オデーサ州はとても厳しい状況にある。イラン製の無人機による夜間の攻撃を受け、都市は暗闇に包まれた。現時点で州内の150万人以上が電気を得られない状況だ」と述べ、州の広い範囲で停電が起きているとしています。

そのうえで「ひと晩で、ロシアはオデーサ州に対し15機の無人機を使った。これが、州内で暮らす人々に対するロシアの真の態度だ。意図的ないじめであり、災難をもたらそうと企てている」と述べ、ロシアを非難しました。

BBC “戦死のロシア兵 約1万人を特定”

イギリスの公共放送BBCは9日、ロシア語版のサイトで、ウクライナへの侵攻で死亡したロシアの兵士、およそ1万人の名前を特定したと伝えました。

このうちロシアのプーチン政権がことし9月に踏み切った予備役の動員で戦地に派遣された兵士が、394人死亡したとしています。

また将校は1509人が特定されたとして、BBCは「ウクライナ軍が欧米の高精度な長距離攻撃システムを効果的に使っていることで、将校の死者が若干多くなっている」と分析しています。

名前の特定方法についてBBCは、ロシアの独立系メディアとともに記念碑や墓地などで公にされている名前をリスト化した結果だとしていて、実際の死者数は2万人以上に上る可能性があると推定しています。

ロシア側の死者について、ロシアのショイグ国防相はことし9月の時点で軍の死者は5937人だとしています。

一方、アメリカ軍の制服組トップミリー統合参謀本部議長は11月、ロシア軍の死傷者数が10万人を大幅に上回っているという見方を示しています。

ウクライナ南部で無人機による攻撃 電力の供給途絶える

ウクライナ国営の電力会社「ウクルエネルゴ」のトップは9日、記者団に「ことし10月以降、エネルギー関連のインフラに1000発以上のミサイルや無人機が撃ち込まれた」と述べ、復旧作業を急いでいるとしています。

南部オデーサ州の知事がSNSに投稿したところによりますと、10日も州内のエネルギー関連施設が無人機による攻撃を受け、オデーサや周辺地域でほぼすべての電力の供給が途絶えているということです。

また、南部ヘルソン州でもロシア軍による砲撃が繰り返されていて、ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官は10日、砲撃で病院などが破壊され、2人が死亡したことを明らかにしました。