コロナ致死率 第7波は40歳以上で減少 高齢者の追加接種効果か

ことし夏の新型コロナの「第7波」で感染した40歳以上の人のうち亡くなった人の割合は、ことし初め以降の「第6波」のピーク時の半分以下に下がっていたことが全国保健所長会の調査で分かりました。高齢者で進んだワクチンの追加接種の効果が大きいとしていて、今後の対策を考えるうえで参考にしてほしいとしています。

全国保健所長会の研究グループは、ことし1月から8月までに大阪府や茨城県など10府県でコロナに感染した40歳以上の55万人余りについて、どれくらいの人が亡くなったのか致死率の変化を調べました。

その結果、致死率は「第6波」の
▽1月初めからの4週間では0.62%、
▽2月下旬まででは0.85%でしたが、
その後、感染者数の減少とともに徐々に下がり、
▽6月中旬までの4週間では0.23%でした。

一方、「第7波」では、感染者数が最も多かった時期の
▽8月中旬までの4週間でも0.39%と「第6波」のピークの時期の半分以下でした。

また、致死率は重症化リスクが高い高齢の人でも下がり、オミクロン株の「BA.5」が主流となった8月下旬までの1か月余りでは、
▽60代で0.05%、
▽70代で0.39%、
▽80代以上で1.81%と、「BA.1」の時期の半分以下になっていました。
研究グループは、65歳以上のワクチンの追加接種が進んだことなどが影響したと分析していて、結果をまとめた大阪府寝屋川市保健所の田中英夫所長は「致死率は大きく低下している。今後の社会での新型コロナの位置づけを考えるうえでの判断材料にしてもらいたい」と話しています。