ウクライナ 電力不足解消を最優先に 電気や暖房に深刻な影響

ウクライナでは本格的な冬を迎えた今月に入ってもロシアによるインフラ施設への攻撃が相次いでいて、ウクライナ政府は、電気や暖房などに深刻な影響を及ぼしている電力不足の解消を最優先の課題に掲げて取り組む姿勢を強調しています。

ウクライナでは、今月に入ってもロシア軍がエネルギー関連のインフラ施設へのミサイル攻撃を繰り返していて、東部ドニプロペトロウシク州の知事は3日、30発を超す砲撃でガスパイプラインや送電線が被害を受けたとSNSに書き込みました。

ロシア軍の攻撃は南部でも続き、ザポリージャ州の知事は2日、SNSに州内で再びミサイル攻撃を受けたと投稿し「敵の目的は州都の産業や電力のインフラを破壊することだ」と主張しました。

また、先月、ウクライナ軍が奪還した、ヘルソン州の州都を含むドニプロ川の西岸地域に対してもロシア軍が砲撃を繰り返していて、州の知事は3日、「砲撃で送電網が被害を受け、街は再び電気のない状態になった」と訴えました。

こうした中、ウクライナのシュミハリ首相は2日の会議で「アメリカや日本、EUなどによる支援で、何万台という発電機が送られてきている」と述べ、各地に適切に配分するため調整本部を立ち上げるよう担当閣僚に指示しました。

シュミハリ首相は「すべての家庭に光や暖房、水、通信が行き渡るよう力を尽くしている」と述べ、インフラの復旧を急ぎ、電気や暖房などに深刻な影響を及ぼしている電力不足の解消を最優先の課題に掲げて取り組んでいる姿勢を強調しました。

一連の攻撃についてロシアのプーチン大統領は2日、ドイツのショルツ首相との電話会談の中で「ウクライナ側が挑発的な攻撃をしているため、やむをえない対応を取った」と正当化していて、ロシアによるインフラ施設へのさらなる攻撃が懸念されています。