新型コロナ新規感染者数 1週間平均 全国 7週連続で増加傾向

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国では1.27倍と7週連続で増加傾向が続いていて、増加のペースもほとんどの地域で前の週を上回っています。

NHKは、厚生労働省が発表した感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

▽先月3日までの1週間では前の週に比べて1.38倍、
▽先月10日は1.30倍、
▽先月17日は1.24倍、
▽先月24日は1.08倍といったん増加のペースが下がりましたが、
▽今月1日まででは1.27倍と7週連続で増加が続き、ペースも再び上がっています。

一日当たりの全国の平均の新規感染者数は、先週より2万3000人余り多い11万人余りでした。

すべての都道府県で前の週より多くなり、高知県では1.56倍、沖縄県では1.46倍、千葉県では1.44倍、茨城県では1.43倍などと、増加の幅が比較的大きくなっています。

また、宮城県、山梨県、三重県、広島県を除く、43の都道府県で増加のペースが上がっています。

北海道

人口当たりの感染者数が最も多いのは北海道で、
▽先月17日までの1週間は前の週の1.23倍で、この週まで6週連続で増加が続いていましたが、
▽先月24日は0.93倍と減少に転じ、
▽今月1日までは1.03倍と再び増加傾向となりました。
一日当たりの新規感染者数はおよそ7987人で、人口10万当たりの感染者数は1070.05人となっています。

1都3県

【東京都】
▽先月17日までの1週間は前の週の1.25倍、
▽先月24日は1.06倍、
▽今月1日まででは1.37倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1万2005人となっています。

【神奈川県】
▽先月17日までの1週間は前の週の1.27倍、
▽先月24日は1.10倍、
▽今月1日まででは1.26倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ7124人となっています。

【埼玉県】
▽先月17日までの1週間は前の週の1.29倍、
▽先月24日は1.07倍、
▽今月1日まででは1.34倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ6004人となっています。

【千葉県】
▽先月17日までの1週間は前の週の1.36倍、
▽先月24日は1.14倍、
▽今月1日まででは1.44倍で、
一日当たりの新規感染者数は4983人となっています。

関西

【大阪府】
▽先月17日までの1週間は前の週の1.16倍、
▽先月24日は1.10倍、
▽今月1日まででは1.29倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ5354人となっています。

【京都府】
▽先月17日までの1週間は前の週の1.14倍、
▽先月24日は1.14倍、
▽今月1日まででは1.38倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1623人となっています。

【兵庫県】
▽先月17日までの1週間は前の週の1.16倍、
▽先月24日は1.10倍、
▽今月1日まででは1.31倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ3066人となっています。

東海3県

【愛知県】
▽先月17日までの1週間は前の週の1.29倍、
▽先月24日は1.13倍、
▽今月1日まででは1.36倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ7377人となっています。

【岐阜県】
▽先月17日までの1週間は前の週の1.31倍、
▽先月24日は1.06倍、
▽今月1日まででは1.33倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ2291人となっています。

【三重県】
▽先月17日までの1週間は前の週の1.24倍、
▽先月24日は1.22倍、
▽今月1日まででは1.13倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1412人となっています。

その他の地域

【宮城県】
▽先月17日までの1週間は前の週の1.27倍、
▽先月24日は1.18倍、
▽今月1日まででは1.17倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ3511人となっています。

【広島県】
▽先月17日までの1週間は前の週の1.19倍、
▽先月24日は1.15倍、
▽今月1日まででは1.02倍で、
一日当たりの新規感染者数は2822人となっています。

【福岡県】
▽先月17日までの1週間は前の週の1.27倍、
▽先月24日は1.06倍、
▽今月1日まででは1.41倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ3081人となっています。

【沖縄県】
▽先月17日までの1週間は前の週の1.02倍、
▽先月24日は1.17倍、
▽今月1日まででは1.46倍で、
一日当たりの新規感染者数は500人となっています。

政府分科会 東邦大 舘田教授「全国的に増加傾向強まる兆候」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「全国的に増加傾向が強まっている兆候が見られているが、爆発的な感染者の増加が見られる段階までは至っていない。北日本や東日本で先に感染拡大が進み、西日本は少し遅れて増加が目立ってきている。感染者数はことし夏の第7波と比べてまだ多くないが、死亡者の数は200人を超える日もあり、ペースが早いことに注意すべきだ」と話しています。

そのうえで「東京など各地域で、オミクロン株の『BQ.1』系統の新たな変異ウイルスの置き換わりが確実に見られている。このウイルスが主流になったときに感染拡大にどう影響するか、今月中旬から月末までには分かってくると思うので、注意深く見る必要がある」と指摘しました。

そして、人と人との接触が多い年末を迎える中での今後の対策については「年末年始にかけて、友人と会うときや、新年会、忘年会を行うときも、これまで経験してきた基本的な感染対策をできるだけ組み合わせて、感染リスクを下げながら楽しむことを心がけてほしい。サッカーのワールドカップで日本代表が頑張っていて、みんなで集まって応援したくなるが、感染リスクがまさにそういう場面で高まってしまう。できるだけマスクを使って、大声を抑えながら換気に注意して、長時間、大人数にならないように工夫してほしい」と呼びかけました。

一方、新型コロナの感染症法上の扱いについて、舘田教授は「ワクチンや検査、治療薬が普及し、致死率もかなり下がってきた中で、多くの医療機関で診療してもらうために、季節性インフルエンザと同じ分類に扱いを変えるタイミングは近づいている。ただ、今の『2類相当』からインフルエンザと同じ『5類』に切り替えたとき、医療費の支払いの負担が大きな問題になる。例えば、当面は重症者や高齢者の医療費を国が負担するなど、段階的に移行していくような工夫が必要だ」と話していました。

インフルエンザ患者数 前の週とほぼ変わらず

新型コロナウイルスとの同時流行が懸念されているインフルエンザについて、全国の医療機関から先月27日までに1週間に報告された患者の数は全国で535人でした。
患者数は前の週とほぼ変わらず、まだ流行期入りの水準を大きく下回っていますが、専門家は引き続き、注意するよう呼びかけています。

厚生労働省によりますと、先月27日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告があったインフルエンザの患者数は前の週から11人少ない535人でした。

インフルエンザは、1医療機関当たりの1週間の患者数が全国で1人を超えると「全国的な流行期」入りとされていますが、今の時点では0.11人と大きく下回っています。

新型コロナウイルスが感染拡大して以降、おととしと去年はインフルエンザの感染が広がりませんでしたが、先月27日までの1週間では39の都道府県で患者が報告されていて、1医療機関当たりの患者数は、
▽京都府が0.57人、
▽大阪府が0.49人、
▽宮城県が0.28人、
▽沖縄県が0.21人、
▽東京都が0.18人などとなっています。

感染症に詳しい東邦大学の舘田一博教授は「今のところインフルエンザの明らかな感染拡大は見られていないが、コロナと同時流行を起こさないよう、基本的な感染対策によって抑えていくことが重要だ」と話しています。