ゼレンスキー大統領「強力な対抗策を準備」徹底抗戦の構え強調

ロシア軍がインフラ施設への攻撃を繰り返す中、ウクライナのゼレンスキー大統領は「われわれは占領者の意図を分析し、今よりも強力な対抗策を準備している」と述べ、徹底抗戦する構えを強調しました。

ロシア軍は10月以降大規模なミサイル攻撃を繰り返していて、ウクライナでは首都キーウをはじめ各地で深刻な電力不足に陥っています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は11月30日、新たな動画を公開し、国内のおよそ600万人が電気を使えていないことを明らかにしたうえで、「いつ、どのくらいの期間停電するのかを理解することが重要だ」と述べ、エネルギー会社や自治体に情報提供を呼びかけました。

そして「われわれは占領者の意図を分析し、今よりも強力な対抗策を準備している」と述べ、徹底抗戦する構えを強調しました。
また、アメリカのブリンケン国務長官も30日、「過去数週間、ロシアはウクライナの3分の1以上のエネルギーシステムを空襲で破壊し、数百万の人たちを厳しい寒さと暗闇に突き落とした」と述べ、ロシア側を厳しく非難しました。

ウクライナ情勢をめぐりアメリカとロシアの対立が深まる中、11月、トルコで、アメリカのCIA=中央情報局のバーンズ長官と、ロシアのプーチン大統領の側近で対外情報庁のナルイシキン長官が会談しました。

会談後、ロシアのナルイシキン長官は30日、国営のロシア通信のインタビューに対し「今回の会談で、いちばん頻繁に使われたことばは『戦略的安定』『核セキュリティ』『ウクライナ』『キーウ政権』だった」と述べ、ウクライナ情勢についても話し合われたと主張しました。

一方、アメリカ国務省の報道担当者はNHKの取材に対し「バーンズ長官はロシアが核兵器を使用した場合の結果や戦略的安定に対する危険性についてメッセージを伝えた」と述べ、ウクライナ情勢をめぐって核戦力の使用も辞さない構えを示すロシアに強く警告したと強調しました。