ロシア軍 インフラ施設にミサイル攻撃 東部では地上部隊を前進

ウクライナに侵攻したロシア軍は、各地のインフラ施設にミサイル攻撃を仕掛けるとともに、東部ではウクライナ側が拠点とする都市や集落を包囲しようと、地上部隊を前進させ、激しい戦闘が続いています。

ウクライナ政府は、ロシア軍が来週にも新たなミサイル攻撃を計画しているという見方を示し、発電所や変電所などのインフラ施設を狙ったさらなる攻撃に警戒を強めています。

また東部では、軍事拠点となる都市や集落をめぐる戦闘が続き、親ロシア派の指導者は28日、東部ドネツク州のウクライナ側の拠点の1つ、バフムトについて「ロシア側の部隊が前進に成功し包囲は近い」と述べました。

これに対してウクライナ政府の高官は29日「ロシア軍はバフムトに入ろうとして多くの犠牲を出している」と反論し、一進一退の攻防が続いているものとみられます。

こうした中、ゼレンスキー大統領は29日、新たな動画を公開し「ロシア側は大きな損失にもかかわらず、依然としてドネツクで前進を図り、ルハンシクでは陣地を固めようとしている。南部でも何かをたくらんでいる」と述べました。

今後、気温が下がると、これまでぬかるんでいた地面が凍結し、双方の部隊の機動性が上がるとされ、戦闘は一層激しくなることが懸念されています。

ゼレンスキー大統領は「世界は、この戦争に加担したすべての人間に裁きを受けさせるよう、あらゆる手段を講じるだろう」と述べ、ロシアのプーチン政権の戦争犯罪を問う姿勢を改めて示しました。

またこれに先立ち、ゼレンスキー大統領の妻のオレーナ氏も29日訪問先のイギリスの議会で演説し「ウクライナでは、数多くの都市がロシアの攻撃にさらされ、第2次世界大戦中のイギリスと、同じような恐怖を体験している。あなた方は降伏しなかったし、われわれも降伏しない」と述べました。

そして「勝利だけではなく、正義も必要だ」述べ、戦争犯罪を裁くための特別法廷の設置を訴えました。