ウクライナ 電力不足が深刻化 ロシアのインフラ施設攻撃続く

ロシアによるインフラ施設への攻撃が続くウクライナでは電力不足が深刻化しています。ウクライナのゼレンスキー大統領は「電気の使用はほとんどすべての地域で困難な状況が続いている」としたうえで、国民が結束して復旧作業を進めていると強調しました。

ウクライナでは23日も、首都キーウなど各地でエネルギー関連のインフラ施設や病院への攻撃が繰り返され、全土で緊急停電が実施されるなど、電力不足が深刻化しています。

冬の寒さが厳しくなる中、ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官は24日、SNSで、インフラ施設への電力供給を再開したことを明らかにしました。

ウクライナのゼレンスキー大統領も「電気の使用はほとんどすべての地域で困難な状況が続いている。しかし、少しずつだが電気が無い状態から脱しつつある」と述べ、国民が結束して復旧作業を進めていると強調しました。

一方、IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は24日、声明を発表し、23日に外部からの電力の供給を失ったウクライナ国内の4つの原子力発電所のうちザポリージャ原発については復旧したことを明らかにしました。ほかの3つの原発は発電機で原子炉の冷却などに必要な電力を確保しているとしています。

グロッシ事務局長は、今回の事態についてロシアによる軍事侵攻が始まって以降、原発に対する最大規模の電力供給の喪失が起きたとして深刻な懸念を表明し、対策を急ぐべきだと訴えました。