海水から生き物に取り込まれるセシウムの量を調べる実験 福島

福島県水産資源研究所は、東京電力福島第一原子力発電所の事故から10年余りがたっても、福島県沖で取れた魚から、まれに基準を超える放射性物質が検出される問題の解明につなげようと、事故で放出された放射性セシウムを含む海水で生き物を飼育し、時間の経過とともに体内に取り込まれる量を調べる国内初の実験を行うことになりました。

福島県では、県が行うものだけで、年1万数千点の食品の検査が行われていますが、クロソイという魚からは、去年は2回、ことし1月に1回、国が定める食品の基準を超える放射性物質が検出されています。

この問題の解明につなげようと、福島県水産資源研究所は、事故で放出された放射性セシウムを含む海水で生き物を飼育し、時間の経過とともにどのくらいの量が海水から体内に取り込まれるか調べる国内初の実験を25日から行います。

具体的には、県内の山で採取した落ち葉を使って、福島第一原発の港湾の出入り口付近の濃度に相当する1リットル当たり1ベクレルのセシウム137を含む海水を作り、魚の餌となるゴカイを飼育します。

クロソイをめぐっては、国の研究機関が、福島第一原発の港湾内で放射性物質を取り込み、外に出た可能性が高いとする調査結果を示しています。

こうした実験は国内では初めてだということで、餌以外に魚が海水から直接体内に取り込んでいる可能性もあることから、今後、魚の飼育も行うとしています。
福島県水産資源研究所の佐久間徹副所長は「どのようにして魚の体内にセシウムが蓄積していくのかは明らかになっていないので、実験で得られたデータを基に、より精度の高い想定ができるようになるだろう」と話しています。