ウクライナ各地でインフラ施設被害“23日も計画停電を実施”

ウクライナ各地でエネルギーのインフラ施設がロシア軍の攻撃によって被害を受ける中、ウクライナ国営の電力会社は23日も全土で計画停電を実施すると発表しました。ウクライナ政府は、本格的な冬が到来すれば緊急停電が発生するおそれもあると危機感を募らせています。

ロシアが軍事侵攻を続けるウクライナでは、東部での戦闘が一段と激しくなっているほか、ウクライナ軍が今月奪還した南部の要衝ヘルソンに向けてもロシア軍の砲撃が繰り返されています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、SNSで南部のザポリージャ近郊の町にある病院にミサイル攻撃があり、乳児が死亡したほか、東部ハルキウ州のクピヤンシクでも病院などが砲撃されて2人が死亡したと明らかにし、ロシアを強く非難しました。

一方、ロシア軍がエネルギーのインフラ施設を標的にした攻撃を繰り返す中、ウクライナでは連日、計画停電が実施されていて、ウクライナ国営の電力会社「ウクルエネルゴ」は23日も全土で計画停電を実施すると発表しました。

ウクライナのシュミハリ首相は22日の会議で、「計画停電を緩和したいが、寒くなるにつれて電力消費量が増えている。状況によって緊急停電が発生するおそれもある」と述べ、危機感を募らせています。

ゼレンスキー大統領は「ロシアは冬の寒さを大量破壊兵器に変えようとしている」と非難したうえで、冬を乗り切るため民生分野での支援を国際社会に訴えました。
ロシア軍による一連の攻撃についてアメリカのシンクタンク「戦争研究所」は「ロシア軍は高精度ミサイルをほとんど使い切っているが、さらに重要インフラを大規模に攻撃する可能性はある」と分析しています。